39. 一日目
武闘大会は全部で三日間行われる。二日間で準々決勝まで終わらせて、最終日に準決勝と決勝が行われるスケジュールだ。準々決勝までは運動場を四等分して、そこで試合が行われる。ルールは簡単、学園が用意した木刀か魔法で相手を倒した方が勝ちだ。それから武器を落としても枠内から出ても負けだ。
初戦の私の相手はダレン・ハワードだ。シシリーに教えてもらって、彼は魔法が苦手という事を知っている。剣で正々堂々戦えば負ける事は無いだろう。
「両者、構え…始め!」
審判の合図と共に私は駆け出した。相手が私のスピードに驚愕している。相手の木刀目掛けて自分の木刀を思い切り振る。相手は木刀から手を放して武器を落としてしまった。
「…そこまで、勝者、アリス・ブルスジル」
私は初戦を危なげなく勝った。ステラも勝ったみたいなので、二人でティナとマイケルの試合を見に行く。丁度始まるところだった。
「両者、構え…始め!」
審判の合図と共にマイケルが駆け出した。
(前よりも早い)
マイケルと最初に会った時よりも動きが洗練されていた。一方ティナは詠唱しながら後ろに下がっている。ティナの動きもマイケルに劣っていなかった。そのままティナが魔法を発動する。炎の矢だ。凄い数の矢が四方からマイケルに襲い掛かる。最初は上手くかわしていたが、捌ききれなくなり木刀に引火して燃え尽きてしまった。
「…そこまで、勝者、ティナ・ブルスジル」
マイケルが武器を失ったので、ティナの勝利が確定した。
「マイケルも強くなってるね」
私の言葉にステラが頷く。マイケルはどんどんと強くなってきている。ぼーっとしていたら私は追い越されてしまうだろう。そんな危機感が湧いてくる試合だった。
私は二回戦の相手にも勝利した。私、ステラ、ティナはその後も問題なく勝ち進んで初日は終わった。終わってみれば一日はあっという間だった。
「皆~お疲れ~」
応援席で私達の事を応援していたマイケルが、タオルと水筒を持って駆け寄ってくる。私はそれを受け取って顔を拭く。ふとした時に脳裏に浮かぶ。
(シシリー、どこに居るんだろう)
今日も気にしていたが、結局今日も見つける事が出来なかった。確かに学園内に気配があるのに何処に居るのかは分からなかった。それにパパからの返信も無かった。お酒飲んで寝てしまっているかとも思ったが、朝になっても連絡が付かなかったので、何かあったのかと不安になる。
(今日は、電話に出てくれるかな……)




