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38. 失踪

 武闘大会を数日後に控えた日に異変は起こった。最近仲良くなった、シシリーが登校してこなかった。家の用事等で登校しない人が居るのは珍しくない。ただ、シシリーは何も言っていなかったので不思議に思った。


「さあ、授業を始めるぞ」


 何事も無かったように授業は始まる。ただ、私には分かっていた。シシリーはこの学園に居る。気配が小さいが感じる。昼休み、放課後と学園内をステラとティナ、マイケルと探したが彼女は見つからなかった。


「どこ行っちゃったんだろ」

「お姉ちゃんがぐいぐい行くから嫌になっちゃったんじゃない?」

「…え?私?」


 確かに友達になれて嬉しくていっぱい話掛けていた気がする。でも、嫌がっていなさそうだったけど、内心は嫌がっていたのかもしれないと思うと、無性に申し訳なくなっていった。


「もうちょっと探す。謝ってくる」

「それが良いんじゃないか?」


 マイケルが私の言葉に賛成してくる。


「てか、マイケルって今までどこに居たの?」


 マイケルは私達に負けないみたいな事を言ってからどこかに消えていた。


「俺もブルスジルに行って鍛錬してきた。良い街だったよ」


 衝撃の事実に私達は一瞬固まる。


「「え、何で?」」

「お前等みたいに強くなる為に決まってるだろ」

「何か変わったの?」


 マイケルの言葉にティナが冷たい言葉を掛ける。マイケルに対してはいつもこんな感じだ。


「…っ!いや、この短期期間じゃ何も変われなかった。それに魔の森で何回か死にかけた」


 乾いた声で笑っていた。私達はマイケルの肩を叩いて慰めてあげる。


「そんな事よりもシシリー探さなきゃ」

「ああ、そうだな、俺も手伝うぜ」


 その後もいくら探してもシシリーは見つからなかった。私達は諦めて寮に戻った。

 その後も異変は続いた。パパが通話に出てくれなかった。今まで忙しいと言いつつもちゃんと毎日話をしてくれていたので、何かあったのではないかと不安になった。


「今、戦っている最中なのかも」


 ステラが言った。確かにその可能性もある。今までそんな事が無かった訳では無い。でもその場合、すぐ後に折り返してパパから連絡があった。が、今回は何もない。不安が込み上げてきた。ただ、無性に数日後の武闘大会という行事に不安を募らせる事になった。


 そして武闘大会当日。状況は昨日と何も変わらなかった。見に来てくれる言っていたパパの姿も見当たらなかった。無情にも三日間のトーナメント戦が始まった。


(切り替えて頑張ろう)

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