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37. 新しい友達

 私達は片っ端から声を掛けて情報を買いまくった。情報の相場が分からないのでお金は適当に渡していく。相手も貴族のプライドがあるのか、もっと寄越せと言ってくる人は居なかった。

 結果としては良い情報は集まらなかった。やっぱり私が最初に聞いたような情報ばかり集まった。これでは戦闘で有利になる事は出来ないだろう。

 やはり、誰か仲間にするしかないと思う。その子に日頃から情報を集めてもらって、来年は私達が情報を売る側になれば良い。それに友達が増えるのは何だか嬉しい。

 私は教室内を見渡す。誰か良さそうな人が居ないか見渡す。密偵として優秀なのは気配を消すのが上手く、耳の良い人材。そしてある程度運動神経が良い存在。


(あ、あの子良いかも)


 私はその子に駆け寄った。教室の中でも影が薄く、黒髪の少女だった。きっと気配を消すのが上手いのだろう。


「ねえねえ」


 少女は何故か辺りを見回して自分の顔を指で指した。私は頷く。


「な、な、何でしょうか?へ、平民、なので、お金はも、持ってないです!」


 最初は小さい声だったが段々と声が大きくなっていた。不思議な子だ。


「お姉ちゃん何いじめてるの?」


 私が、彼女が言った言葉を咀嚼して理解しようとしている間にステラが声を掛けてきた。私は急いでいじめていないと否定した。


「この子と友達になりたいと思って話掛けただけだよ」


 当の彼女は不思議そうな顔をしていた。何だかちょっと恥ずかしくなってきた。


「シシリーさん、どうかな」

「は、はい、お願いします?」

「やったー」


 友達が増えるのはやはり嬉しい。最近は周りも決まった人達で固まっていたので、話しかけ辛かった。もうこれ以上友達は増えないと思っていたので本当に嬉しかった。


「じゃあ、こっち来て」


 私はいつも私達が集まっている場所にシシリーを連れて行った。私達はいつも通り世間話を始めた。そして私達が話している間、シシリーは机に無造作に置かれた、情報の収集結果を纏めた紙を見ていた。


「こ!…この方は魔法の中でも火を扱うのが、と、得意です!」


 シシリーは急に大声を出し始めた。と言っても彼女にしては大声だっただけで、私たち以外は気が付いていなかった。

 私はシシリーの情報を聞いて笑顔になった。


「すごい!じゃあ、この人は?」


 驚いた事にシシリーは様々な情報を持っていた。それもかなりの質の。

 私達が情報に対してお金をあげるととても喜んでいた。それから私達の輪にシシリーが加わった。


(いろんな人と友達になるのも楽しいな)

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