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36. 回収

「でね、なんか皆も真似し始めちゃったんだって」

『へ~、皆頑張ってんだな』


 いつも通りパパの適当な返事が返ってくる。


「これからどうすれば良いと思う?」

『周りが勝手に情報集めだしているなら、あとでそれを教えてもらえば良いんじゃないか?』

「それだと横取りしているみたいでなんかやだ」


 他人の成果を貰うのはなんか嫌だ。


『難しいなそれは』

「パパならどうした?」

『俺は最初からある程度知っていたからな…』

「え?どうやって?」


 パパはどういう訳か最初から生徒の情報を持っていたらしい。その方法が知りたいと思った。


『まあ、密偵とか密偵とか、そんな感じだ』

「私に密偵なんていないよ」


 パパは密偵を使って王都の情報を集めている。王都だけではない、国内、他国などの情報もだ。その情報網は貴族達に一目置かれていると、噂で聞いた事がある。そんな優秀な密偵を私は持っていない。


『俺から言い出して申し訳ないが、今回はこれまでだな。情報戦の基本は始まるずっと前から情報を集めて持っている事だからな。今回は普通にやろう』

「は~い」


 この世界にはまだまだ学ぶ事が多そうだ。情報収集は私には向いていない。今回でその事が分かった。自分には向いていないなら、向いていそうな人を仲間にすればいい。そんな事をパパに言われた。


(今回は皆が情報を集めだしちゃったから、その中で良い情報を持ってる人に話しかけるのもありだな)


 自分の中で方向性が決まったような気がした。後、情報の横取りが嫌なら買い取れば良いともパパは言っていた。確かにそれなら何故か嫌悪感が無くなった。

 私はステラとティナを誘って冒険者の依頼をしまくった。依頼ボードの端から全部こなしてしまうのではないかという勢いで依頼をこなして、お金を集めた。


「あら、そんな事なら私が情報あげるのに」


 学園で偶々会ったキャロリンお姉ちゃんのが私達に言って来た。そう言えば、キャロリンお姉ちゃんの情報網も凄いと聞いた事があった。


「何ならあなた達のパパに頼めば同じ質の情報が手に入ると思うわよ」


 魅力的な提案だ。でもそんな楽をしてはだめだと思う。私達自身でやらないとだめだ。そう思う。


「…私達でやらないと学べない事もあるから、ごめんなさい」


 私は頭を下げてその申し出を断る。


「なら仕方ないわね。でも偉いわよ。頑張ってね」


 何故かキャロリンお姉ちゃんは私達を見て笑っていた。嬉しそうだった。


(さあ、どんな情報が集まったかな)

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