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33. 結婚式

 その知らせは突然届いた。

 勇者アリアネルと第二王子の結婚式。すぐに街中に噂は広がった。予想外の盛り上がりに式後に王都を回る計画が立ったぐらいに王都は熱狂していた。その結婚式の招待状が私達の元に届いた。ティナの分は無かった。


「パパ、どうしよう」

『二人で行って来たら良いんじゃないか?まあ、俺も行かないし、ティナは俺が見といてやるよ』

「え、パパ行かないの」


 友達同士の結婚式だから行くものだと思っていた。


『ああ、ちょっとな』

「じゃあ、私は行かない」

『アリスが行かないならステラも行かないのか…』


 パパが少し申し訳ない様子で声が小さくなっていく。


「そうしたの?」

『いや、流石の俺もなんかアリィ達に申し訳なって来たわ』


 パパが言い始めた事なのにと一瞬思う。でも私が呼んだのに来てくれなかったらちょっと悲しいかもと思った。


『まあ、王都を回る時に全力でお祝いしてあげれば良いか』

「うん」


 そうして私達は式には不参加となった。アリィお姉ちゃんは小さい頃に偶に遊んでくれた思い出がある。第二王子の方は全く知らない。ただパパの同級生で友達だという情報しか知らない。

 その後ティナに聞いてみたら、二人の事を全く知らないし人込みは嫌いという理由で行かないと言っていた。


 結婚式の当日、王都はお祭り騒ぎだった。今が戦時中とは思えない、いや戦時中で暗い話題しか無かった反動か、皆がとても楽しそうにしていた。

 そんな街の様子を楽しんでいると、大神殿から歓声と共に新郎新婦が出てきた。着飾ったアリィお姉ちゃんがとても綺麗だと思った。興奮して思わず声が出る。


「パパ!アリアネルお姉ちゃんと王子様が出てきたよ!」


 振り向いた時、パパは違う方向を険しい表情で見ていた。そしてパパが口を開く。


「二人とも、ここでちょっと待っててな」

「「?」」


 私達は良く分からずに首を傾げる。でもそんな疑問を質問する前にパパは人込みへと消えて行ってしまった。


「どうしたんだろう?」

「さあ?」


 不思議に思っていると、目の前を豪華な馬車がゆっくりと通る。その馬車の上にアリィお姉ちゃんと第二王子が居た。


「「アリィお姉ちゃん!おめでと~!」」


 私達の声が聞こえたのか、アリィお姉ちゃんはこちらを向いて手を振ってくれた。私達も全力で振り返す。アリィお姉ちゃんは綺麗でとても幸せそうだった。馬車が通って行った後を見ながら思う。


(私もいつか誰かと結婚するのかな…?)

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