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3. 筆記試験

 私達は貴族の子供だ。元々は違うがパパは魔王を倒した事で騎士叙勲され、男爵位を受け賜ったとかで私達は貴族の娘になった。ティナもパパの養子になったので、同じ貴族の娘だ。

 ここタクステディア王国では、貴族は十歳になると王立レノース学園に入学する事になる。学園は入学の半年前に入学試験が行われる。貴族は結果に関係なく入れるが、結果によってクラスが分けられる。平民は入学出来るかどうかがかかっている。


「おーい、行くぞー」

「ティナ待って、今行く」

「ティナ、お姉ちゃん待ってー」


 私達はクラス分けの為だけなので特に緊張せずに寝て、ティナが居なければ寝坊してしまうところだった。


(キャロリンお姉ちゃんが買ってくれた服は可愛いけど、着るのに時間掛かるんだよね)


「これが学園か~結構広いね」

「当たり前だろ、国中の貴族が集まるんだから」

「それもそっか」


 私達は軽口を叩きながら指定された教室へと向かう。皆同じ教室だった。

 試験は午前中が筆記試験で、午後が実技試験らしい。筆記試験の内容は、王国の歴史、隣国の歴史、言語、算術、魔法の基礎についての問題が出題される。今まで散々勉強してきたので内容は問題なかった。寧ろ簡単すぎてこれが本当に試験かと疑いたくなる内容だった。


「簡単だったね」

「ね~余裕で満点だと思う」

「まあ、お前達にとってはな」


 貴族でも財政が厳しい領地や爵位が低い人達にはあれでも難問なんだと、ティナが教えてくれる。パパが小さい頃から読み書き算術を教えてくれてたのは一般的では無かったらしい。


「ティナはなんでそんなに物知りなの?」

「まあ、記憶が戻ったから思い出しただけだ」


 ティナと最初に出会った時は何も出来ない赤ちゃんみたいな子だと思っていたけど、あの日、あの夜から記憶が蘇って全てを思い出したそうだ。詳しくは教えてくれない。偶にパパと私達には分からない話をしてるのは少し羨ましいと思ったし、もっと色々知りたいと思ったけど、本人が話したがらないのであまり深くは聞いた事が無い。


「次は実技か~お姉ちゃんはどっちにするの?」


 午後の試験は選択式で、魔法を的に当て威力、速度、正確さを見る試験と各々好きな武器を使っての模擬戦がある。


「魔法かな…相手になりそうな人そんないなそうだし」

「言うじゃないか。まあ、事実だが」


 パパが教えてくれた魔力操作の応用で、魔力を極薄い膜にして周囲を探る方法がある。それで今日の受験者を探ったところ、腕の立つ人は私達を覗いて三人ぐらいしか居なさそうだった。


「それは聞き捨てならないな」


 私達が喋っていると偶々通り掛かったのかある男子が話しかけてきた。仕立ての良い服を着ているので恐らく貴族だろう。


(誰?こいつ)

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