28. 初めてのダンジョン②
初心者向けダンジョンは、私達が想像していたよりも魔物が弱かった。第一階層のボスは私が手を出すまでも無く、討伐出来た。
「今の音で魔物が寄ってきてるわ。次の階層に行こう」
ティナが言ってくれるまで、呆気なさにその場に立ち尽くしていた。私達は速足で洞窟へと進んで行く。魔物はこの次の階層に繋がる洞窟には攻めてこなかった。不思議だ。
「…」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「…消化不良」
私の発言を聞いてティナが提案してくる。
「はあ、次の階層はアリスが戦っていいわよ。想定よりも魔物が弱いみたいだし」
「…っ!ありがとう!ティナ!」
そんな感じで私達は順調にダンジョンを攻略していく。最終階層の目の前で一番後ろを歩いていたティナが声を上げる。
「マイケルが限界。ちょっと休憩しましょう」
後ろを振り向くと肩で息をしているマイケルの姿があった。
「…そうね、ちょっと休憩にしましょう。見張りは私がやるわ」
マイケルは会った当初よりは体力が増えているが、私達のハイペースなダンジョン攻略には付いてこれなかったみたいだ。私達は休憩してから最終階層に入る。
そこにはボスの魔物だけが居た。二足歩行の魔物だ、他の魔物は居なかった。作戦通り私とマイケルが駆け出す。それに気付いた魔物が持っていた武器で攻撃しようとする。その攻撃に対してステラとティナの攻撃が当たる。流石ダンジョンのボスだ。本気ではない攻撃だったとしても、これまでの魔物と違ってそれを耐えきり、私に攻撃してきた。私はそれを正面から受ける。その隙にマイケルが攻撃を仕掛ける。
傷が浅かったのか、魔物が再び攻撃してくる。私は剣に魔力を込めて振動させる。そして魔物の武器を切り裂いて魔物も勢いのまま攻撃する。
「ふう、今日の中では一番手強かったわね」
目の前には真っ二つにされた魔物が横たわっていた。
「帰りは素材採取しながら帰ろっか」
「賛成!」
「ちょっと待って」
私とステラの会話をティナが遮る。
「体感だと今は外が夜よ。さっきの通路で仮眠を取ってから外に向かいましょう」
初めてのダンジョンにワクワクしていて気が付かなかったが、どうやら一日が経過していたそうだ。ティナの提案に従って私達は交代で仮眠を取る事にする。私とステラは疲れていなかったが、マイケルが限界そうだ。
「でも、初めてのダンジョン楽しかったね」
「ちょっと物足りないけど楽しかった」
和気あいあいとした雰囲気の中、私達は初めてのダンジョンを攻略した。
(あ、パパに連絡しなきゃ)




