25. 計画
左手で問題を解き、満点を取った期末試験が終わり、明日から夏季休暇となる。
「夏季休暇何する?」
マイケルが話しかけてくる。
「ダンジョンを回ろうと思う。来る?」
「…ダンジョンか、暇だし連れてってくれよ。一人じゃ行けないだろうし」
「良いよ」
そして私達は夏季休暇中ダンジョンを回る事になった。王都周辺にはダンジョンが八つある。ダンジョンとは摩訶不思議な場所だ。まず、ダンジョン外で魔物は生殖行為で繁殖するが、ダンジョン内はどこからか湧いてくる。ダンジョン内で魔物が生まれる瞬間を見る事が出来ない。生殖行為をしない訳ではないが、殲滅してもまたどこからかやってくるので気味悪がられている。また階層ボスという強力な魔物が、必ず次の階層に繋がる道に居る事も謎となっている。
次に広さだ、ダンジョンによって上に進むものや下に進むものがあるが、どう考えても外形から推測される中身と違う。別空間、魔界ではないか等と言う学者がいるくらいだ。
最後に素材だ。ダンジョン内では鉱物、薬草等の素材が採れる。壁や床、天井は壊すことが出来ないのに素材は採取が可能で、何なら壊す事も出来る。それにいつの間にかそれらが復活している。
しかも、ダンジョンは突然現れる。現れる瞬間を見た者は居ない。これだけ不思議な事だらけでも、ダンジョンはものすごい経済効果をもたらす為、魔物がダンジョンの外に出てこない限りは歓迎されている。
「で、何でダンジョンなんだ?」
「パパも子供の頃、夏季休暇はダンジョンを回っていたんだって」
「はあ、だからか」
最近パパの話をすると周りは呆れた顔をするようになった。謎だ。
「まずどのダンジョンに行くんだ?」
マイケルの問いに考える。まあ、普通に考えれば、一番難易度の低いダンジョンだろうな。私は地図を広げる。ダンジョンの場所に印が付いた地図だ。私はそれを順になぞっていく。
「順番にこの順かな」
「妥当だろうな」
不思議な事にダンジョンの難易度は王都を順に右回りに上がっていく。魔族戦争の時は関係なく難易度が上がっていたが、今は落ち着いている。
「明日から行くか?」
「いや、暫くは準備しよう。アレックスさんとアランさんに必要な物を聞きに行こう」
「そうだな」
私達の夏季休暇の予定は大雑把にだが決まった。ダンジョンで魔物相手に実践訓練、退屈し無さそうだ。その為にまずは準備をしに翌日集まる事にする。
(頑張るぞ)




