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24. 不穏②

 俺は母国に情報を送るだけで、特に何もせず淡々と日々を過ごしていた。この学園には色々な書類や情報が溢れている。母国の家で過ごしているよりも刺激に満ち溢れていた。


(俺を使って何をしたいのか知らないけど、こっちは満喫させてもらうよ)


 俺は生まれてから今一番自由な日々を過ごしている。俺は連絡を怠らなければ何をしても良い。

 そんなある日ある事件が起きた。Aクラスの男子が死んだ。討伐依頼で死人が出るのはよくある事では無いが、無い事も無いらしく、その話を他人事のように聞いていた。その名前を聞くまでは。

 ドミニク・ホーキンス、それは俺に助けを求めてきた人物だった。何やら任務を失敗したとかで、俺に助けを求めてきた。どこで知ったのか知らないが、俺がアジオンブリア王国から送り込まれた人間だと知っていた。俺には何かを出来る力は無いと拒否したのだが、誰にも助けてもらえず恐らく殺されたのだろう。


(俺はに任務なんて命じられてないし、殺されないよな……)


 ちょっとした不安が込み上げてくる。何も情報は漏らしていないし、連絡も怠っていない。失敗は無いはずだ。


 そんな不安を後押しするかの様に新たな事件が起こる。学園の下に穴が掘られていたそうだ。そこで、学年は違うが生徒が自殺していたらしい。学園でも優秀で優等生だった人物らしい。それにその自殺した同日に貧民街で爆破事件が起きたみたいだ。俺の直感はその生徒が自殺では無いと言っていた。恐らく彼も何か失敗して殺されたのではないかと。

 誰にも相談できない心配事に悩まされていると天使に話しかけられる。


「体調悪いの?」

「…え?」

「いや、朝から顔色悪いし」


 俺の顔色を見て心配してくれたティナの優しさで心配が薄らぐ。


「いや、まあ、最近何かと物騒だし」

「あ~、自殺した生徒が出たみたいだね」

「そ、そうそうそれそれ」

「まあ、私達には関係ないし大丈夫でしょ」


(そうだな、俺関係ないし、今のところは大丈夫だよな)


「それで、この宿題やるの忘れちゃって、見せてくれない?」

「あ、ああ良いよ」


 俺はティナに宿題を見せてあげる。自慢では無いが、勉強はまあまあ出来る。実技は才能無いが、前世の知識である程度は勉強に付いていけている。良く周りの生徒に勉強を教えてと頼まれる事がある。実家に居た時よりも自己肯定感が上がっていると思う。


(このまま、平和が続きますように)

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