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22. 火事

 その夜は特に何もなく明けた。昨日の事があったからか、ドミニクは朝食の時間にも起きてこなかった。出発する時間にも起きてこなかったので私達はドミニクを起こしに行く。


「ホーキンス様、出発の時間です」


 アレックスさんの言葉に反応は無かった。私達は顔を見合わせる。


「ホーキンス様、失礼します」


 アレックスさんが部屋に入っていく。開いたドアからはベッドに横たわっていたドミニクが見えた。まだ寝ていたみたいだ。アレックスさんが近づきやや乱暴に起こそうとした時、アレックスさんが離れて盾を構える。


「離れろ!」


 その言葉の直後、ドミニクの居る場所が爆発した。盾を構えていたアレックスさんと戦闘態勢になっていた私とアランさん以外は吹き飛ばされる。爆発の影響かドミニクの寝ていたベッドの辺りから燃え始める。


「脱出だ、逃げろ!」


 私は先頭で周囲を警戒しながら外を目指す。二番目にアランさん、最後尾にアレックスさん、間に生徒の順に無事宿を脱出した時には二階全体が燃えていた。


「アラン、俺に水魔法を、従業員の避難誘導に向かう」


 アレックスさんが水を被って再び宿の中に向かう。私達は離れた場所で周囲を警戒しながらアレックスさんを待った。暫くして、従業員を裏口から逃がしたアレックスさんが戻ってくる。


「残念だが、ホーキンス様は…」


 彼は爆発の中心に居た。すでに死んでいたか、死んでいなかったとしてももう助からないだろう。


「他殺だろうな」


 急に声がした方を向くとそこにはパパが居た。アレックスさんに何か紙を渡していた。


「これが矢に巻き付けられて飛んできた。火が広がらないように消化する。アラン手伝ってくれ。アレックスは護衛を頼む」

「「おう」」


 そしてパパとアランさんは魔法で消化を始めた。


「何て書いてあったんですか?」

「ほらよ」


 アレックスさんはパパから渡された紙を私に渡す。そこには「次はお前の娘だ」と書いてあった。私とステラの事だろう。そして私は思い出す。パパはここに居る。パパはステラの護衛をしていた。私は咄嗟にパパの元へと駆け出した。


「おい、待て」


 アレックスさんの制止を無視してパパへと向かっていた。周りに燃え広がらないように消化をしていたパパを見つけ傍に駆けつける。


「パパ!ステラは?」


 大声でパパに叫ぶ。パパは真剣な顔のまま口を開いた。


「魔界で使ってた護衛人形を付けてる。向こうは大丈夫だ」


 まだステラが生きている事を確認できてホッとする。


(良かった…)

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