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17. 中間試験

 私達が学園生活や冒険者活動に慣れてきた頃、それはやって来た。中間試験だ。と言ってもこれまで基礎しか習っていなかったので、私達には日頃行っていた小テストを丸暗記すれば乗り切れるだろう。


「早く新しい事習いたいな~」

「退屈だしね」


 ステラの発言に賛同する。この学園は殆どの在籍者が貴族だが、教育レベルは人それぞれだ。クラスによって授業スピードは違うが低学年は同じ事が教えられる。高学年ではクラスによってかなりの開きが出るが、低学年はそれ程ではない。


「中間試験も楽勝だろうし」

「ABクラスは殆どの人が満点だろうね」


 そんな話をしているとティナがある提案をしてきた。


「物足りないなら今日から利き手と反対の手を使って授業やテストを受けてみてはどうだ?」

「何それ!面白そう!」


 その提案に私とステラは興味を示す。利き手の反対の手は戦闘で使う事もあるが、利き手と比べると戦闘力が落ちる。それを鍛えるにはまず字を上手く書けるようにする事はとても良い案だと思った。


(強くなる為に使えそう)


 さっそく私達は次の授業から左手で全ての授業を受けた。実技でも左手を使った。最初は慣れていなくて力加減や思ったように動かないと苦戦したが、中間試験までにはある程度使えるようになっていた。日頃の鍛錬も利き手を禁止して行うようにした。目に見えて何か変わったかと言われると何も変わっていないが、多少器用にはなったと思う。それにいつもと違う事をするのは楽しい。


「中間試験も利き手禁止ね!どっちが良い点数か勝負ね!」

「良いよ」


 私がステラにそう言うと即答で返事が返って来た。器用になったとは言え、まだ字を書くペースは遅い。勝負の結果は制限時間内に多くを書き終わった方が勝ちとなるだろう。


「そんな事をしてるのはお前等だけだな」

「俺も左手が使えるようになっていれば……」


 そんな様子に呆れた様子のティナと悔しそうにしているマイケルが言う。ティナはもともと器用だったのか利き手は両手と言っていた。事実、どちらの手でも綺麗な字を書いていた。マイケルは私達と同じように練習を始めたが、不器用なのかまだ左手を上手く扱えていない。


 結果、私達の勝負の結果は引き分けだった。二人とも満点で時間内に全て書き終える事が出来たのだ。もちろん普通にやったティナとマイケルも満点だった。


(最初は学園生活なんてって思っていたけど、最近はちょっと楽しいな)

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