15. 討伐依頼
私達は順調に依頼をこなして、全員がEランクの冒険者になった。今日は魔物の討伐依頼をする事にした。イノシシ系の魔物が街道近くに出現していてそれの討伐依頼だ。全部で四体居るらしい。
「一人一頭ずつだね」
「っ!全員で狩るんじゃないのか?」
「ビビりすぎだよ。そんなに強い魔物じゃないよ。ねえティナ」
「ああ、そうだな」
という事で一人一頭倒す事に決まる。冒険者になってから初めての討伐だ。初めて冒険者らしい事が出来ると少しわくわくする。
街道は王都から少し離れているので、走りながら向かう。私とステラ、ティナは問題ないが、マイケルは少し遅れる。
「もう疲れたの?」
「…ちょっと…ペース…早くないか?」
「?遅いくらいだよ?」
この後に討伐して、門限の問題で帰りも走って帰るつもりなので、全体のペースを考えていつものトレーニングよりもかなりペースは落としている。基礎が大事だと耳に胼胝ができるくらいパパに言われていたので、基礎体力や魔力操作はかなり鍛えていて自信がある。そんな話をマイケルとしながら走っていると目的の魔物が見えてくる。私はスピードを上げて、一番に突っ込んでいく。その後にステラ、ティナが続き、マイケルはかなり遅れた位置から付いてきていた。
突進が脅威なだけで、それをされる前に倒してしまえば、そこまで脅威では無かった。私は魔物の首を切って息の根を止める。
「…終わっちゃった」
呆気ない終わりだった。ステラとティナも同じような状況だった。私達は必死に戦っているマイケルを応援してマイケルの討伐を待った。
「お疲れさん、解体したらまた走って帰るよ」
「…いや…ちょっと…休憩を…」
「そんなことしてたら門限に間に合わないよ」
そんなこんなで速足で討伐依頼を達成して、冒険者ギルドに報告してから寮に戻る。
「はぁ~」
「どしたの?」
「いや、お前達との実力差に落ち込んでいたんだよ」
マイケルは同年代に比べて、弱い訳では無い。ただ、私達と比べると弱いだけだ。そんなに落ち込む事では無いと思っているとマイケルが続ける。
「俺は弱い、でも、お前達と冒険するのが楽しいんだ。これからも足を引っ張るかもしれないが、一緒にパーティー組み続けてくれるか?」
私もパパや大人達に比べると弱い。まだまだ守られる立場だとみんなは言う。でも、それは弱いままでいる事の言い訳にはならないと思う。強くなろうとする心を忘れてはいけないと思う。
「私も楽しいし、それで良いよ」
「ステラも」
「ああ、私も良いぞ」
「…ありがとう」
(学園内で強いからって思い上がらないで、私も努力し続けなきゃ)




