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2話 市場

龍一はエレナに同行する形で市場に向かう。市場は遠くに城のようなものが見える形で道が開けており、横には様々な店舗や露店が立ち並んでいる。

 また、人種にも驚かされた。頭に耳が生えている種族や、体が隠れるローブをまとい杖を持っている者、傷だらけの鎧を身に着けた屈強な戦士たちが行き交っている。


「色んな人種がいるんだな」

「そりゃあそうよ、貿易都市ゼウスラティアですもの」


 龍一は着ているジャケットの襟を正し、自分の身なりを整え、異世界に降り立った高揚感を感じながら市場の中を歩き始める。

 エレナの予想通り龍一は目立つ。

 

「なんだ、あの格好」

「魔法職?いや、あの眼光の鋭さ、修行僧モンクか?」

「どこかの国の聖職者じゃねえか?」

 

 歩くたびにこちらに注意が向き、市場の通りはざわざわと騒々しい。

 

「予想通り目立っているわね」

「先に服を買った方がいいか」


「薬草納品したら買いに行きましょうか、すぐそこだから少し待っていて」

「わかった」

 エレナはそそくさと古めかしい木造りの建物に入っていく、看板には、小さな薬瓶や葉っぱのようなマークが書いてある為、遠目からでも薬屋だとわかる。

 

 エレナが店に入っている間、赤や青、緑色の液体を売る、ローブを被った老婆の露店を見物する。

 

「あんた、ここら辺の者じゃないだろ?」

「ああ、少し遠いところから来てな……」

 

「そうだろうね、そんな装いは見たことないさね」

「ここは何を売っているんだ?」


「これはポーションさね、見たことないんかい?」

「ポーションか、自分の知っているものと少し違ってな……」


 あまりにも世間知らずだと思われると怪しく見えてしまうため、少し嘘をつく。


「おまたせー」

「おう、終わったか」


 手に取って見ていたポーションを戻し、老婆に軽い会釈をし露店を離れる。

 

「じゃあ服を買いに行こうか」

「手持ちは……、すまん、これ使えるか?」

 

 持っていたセカンドバッグから2つ折りの財布を取り出し、紙幣を1枚取り出す。


「なにこの紙きれ、見たことない」

「これは俺がいたところの金にあたるものだ、使えないとすると服を買える手持ちがない」


 龍一は何か売れるものはないかと胸元のネクタイピンに目を向ける。

 シルバーをベースに、金や宝石で加工されてある物だ。


「これ、売れるか?」

「これはすごいわね、ブローチか何かかしら」

「まあ、そんなところだ」

 これは組の兄貴からもらったもので、お気に入りだったが仕方がない。

 

「貴族でもこんな上等な物はなかなか持っていないわよ、もしかしてリュウイチはどこかの貴族様なの?」

「貴族ではないが……とりあえず、資金になればいい、いくらで売れそうだ?」


「金貨80枚……?もっとかな……? 売れるところ知ってるから、行ってみましょ」


 資金調達の為、エレナの知り合いがやっているという質屋に向かう。



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