第一話 ブループロム
翌朝の教室、楽しそうな姫々が一朗の机に腰を掛けて咳払いを一つ。
「『速報! ブループロムのキングとクイーンはこの人だっ!』だってねぇ。聞いてるかい?」
妙に台詞っぽく見出しを読む姫々に一朗は頭を抱えていた。
「知らん知らん知らん! やめてくれっ! あの日の俺はどうにかしてたんだっ!」
周りの熱にあてられていた事も相まって、後々冷静になって思い返せば思い返すほど顔が真っ赤になる。
「何言っても事実は変わらないよ。諦めて揉まれて擦られて擦り切れるまで玩具になることだね」
あはははっと楽しそうに笑う姫々を恨めしそうに見つめる一朗。
「だっ、誰のせいかわかってるだろっ!」
「あたしだねぇ。まっ、乗せられたのは一朗だろう? 文句言うのはお門違いさ」
「ぐっ! だ、だとしてもだろ!」
見苦しい言葉を口にしているのは理解しているがそれでも誰かに当たりたい気持ちを抑えきれなかった。
「男のくせにみみっちいじゃないか。まぁ、そこまで文句言うなら少しはあたしも何かしてやろうかね」
「何かって?」
「とりあえずそうさね。放課後、あたしとデートでもするかい?」
「はい?」
脈絡が理解できなかった一朗は何故か姫々とデートすることになってしまった。
第一話
プループロム
End