いつでも
俺、小日向啓太は高校2年生の17歳。 見た目は180前半で世間一般的には細マッチョに分類される身体付きに髪型はロングだがボサボサにしている。
顔は普通だと思っているが、友人や親には磨けばモデルにもなれるそうだがなるつもりもない。
現在は2度目となる1学期の終業式が終わったので明日から夏休みに入る。
学校は午前中までなので1人で帰宅してる途中に後ろから声が聞こえてきた。
「啓太、学校帰り?」
声を掛けてきたのは、年上の幼馴染である宮下 澪だった。
彼女は俺の隣に住む家の4つ上で、有名大学の鶴宮大学に在籍しており、彼女は大和撫子な容姿に友好的な性格でさらにプロポーションはモデル体型で大人な魅力で女性や男性によくモテるのだ。 所謂、高嶺の花のような容姿をしてる為に告白が絶えないらしい。
俺自身は、よく小さい頃から一緒に遊んでいたから仲が良かくさせてもらっていたからそういう感情はないと思ってたが、彼女の事をいつからか異性として見るようになっていた。ただこの気持ちは彼女に伝えておらず、いつものように接する。
ただ突然だったため思考を切り替えるのに0.5秒かかった。
「澪姉か!まぁそうだな、終業式が終わって帰っている所だよ!」
「そう!! なら一緒に帰らない?」
「少し話したいこともあるの!」
「ん?なんの相談事だ!?」
「とりあえず、あそこの喫茶店で休憩しよ!」
と言って彼女は俺の腕に身体を引き寄せながら引っ張り指差した喫茶店に連れられるのを俺は客観的に見ては、少し心配になった。
なぜなら彼女は偶に俺に対してだけ密着してきたり、思わせぶりな対応するため嬉しい反面、呆れ反面といったなんとも言えない心情なのだ。
「で、無理矢理連れてきて話ってなんだ?」
「えっとね、明日から夏休みだよね?」
「まぁ、1学期の終業式が終わったからそうだな!」
俺がそう答えると、彼女は難しい顔しながら何やら俺の顔を見ては唸っていた。
そして、意を決したように彼女は言ってきた。
「夏休みの期間だけでいいから、私と一緒にモデルの仕事しない?」
おれはそれを耳から聞いて脳内で反芻してようやく脳が認識したかのように声に出していた。
「はぁ!??」
その声があまりにも大きかったのか、喫茶店内に反響し寛いでいたサラリーマンや老夫婦、学生が一斉に此方の方を見て居た堪れなくなり全員に頭を下げた。
全く話の全容が見えない。 落ち着け!!澪姉は何を言ってるんだ? 俺と澪姉でモデル!? 意味が分からない。
確かに彼女ならば、スカウトされるだろが俺と一緒にという意味が分からん。 とりあえず一度詳しく聞いてみる。
「澪姉は話をまとめすぎる。 せめてもう少し詳しく教えてくれ!」
そう言うと彼女は事細かくどういった事情でモデルをやる経緯と俺と一緒にしようと思ったのかを教えてくれた。
内容としては、今日の大学の講義が終わって帰宅している最中にある事務所からスカウトを受けたらしくその事務所はテレビで出演している芸能人が数多く所属している事務所で
最近新たな金の卵となるカップルモデルなのを求めていたらしい。
彼女は元々モデルや女優といったものに興味はあるものの、将来の仕事として考えると安定性に欠ける為に頭の隅にあったのだが、新たなカップルモデルというケースが彼女の頭の中で1人より一緒にしてくれる人が居れば安心だし、何より面白いし、体験風に期間を設ければいいと至ったらしい。
そこで大学の友人に当たろうとするが、彼女の中で一番モデルの要素があるのは俺と思い当たり一度事務所の人に待ってもらう形で俺に会うべく帰宅していたみたいだ。
正直に言えば、澪姉から見ても俺はモデルの資格あるのか些か自信がないが、好いてくれる人から推されたら心がぽかぽかする。 嬉しいがどうしてもモデルというのは気が向かないと考えていると・・・・
「啓太、駄目?」
「啓太はしっかりしてるし、なによりも 格好いいから! 啓太のモデル姿見てみたいとも思うな!
それにね、啓太を彼氏役すると人除けにもなるし笑!」
と上目遣いで瞳にうるうると雫を漂わせて理由を述べてくる。
俺自身は澪姉と一緒にできるのは嬉しいけれど、俺は高校生という立場で一応親に報連相をしなければならない。
なのに、目の前にいる女性は俺を頼りにしてくれているため心情としては、してみたいと言う感情と平凡な日々が好ましいと言う感情が競り合っているが、好きな人のために人肌脱ごうという男のプライドが勝って承諾してしまう。
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