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CHITKU・CHETKI⑪

そこでおひめさまはもりをぬけだすことにしました。

おひめさまのあしはもうかたくなっていて、はだしでもりをかけぬけるにはちょうどよいのです。

おひめさまのくりいろのかみはぼさぼさしていました。

そしてなんだかはだはみどりいろをしていて、きれいなみどりいろのおめめはギラギラとしたこんじきのまなこへとかわっていたのでした。

きているものはわらであんだきたないふく、おまけにしたはあかくてながい、みみはとがっていて、つめはのびほうだい。


まるでおばけでした!

いいえおばけです!


でもおひめさまはきがつきません。

いつものおひめさまのきぶんでもりをかけぬけてゆきます。

おしゃべりでいじわるなふくろうもしんせつなツグミのおかあさんもだまってみています。


まるでこわいかいぶつをみているようなきぶんで!


おひめさまがもりをぬけだしたのはおひるでした。


とぶようにのはらをかけているときにおひめさまはきがつきました。


(あら、わたしのはだはこんなにみどりいろだったかしら?)

(わたしのあしはこんなにぶあつくなったの?)

(なあに、わたしのかみのいろって、くりいろよねえ)


もりのおくはいつもくらくって、よくわからなかったけれど

わたしって

こんなすがただったかしら?


それでもおひめさまはおしろへいきました。


だっておひめさまですものね。


おひめさまはおひめさまらしくしずしずとあるきだし、なんだかこわいかおをしているもんばんにはなしかけました。


「ねえ、とびらをあけてよ」

もんばんはびっくりしました


「なんだおまえは、しっしっ!」

「わたしはおひめさまよ!」


おこったおひめさまがさけぶと、もんばんはおこったかおをしてどなりました。


「おまえみたいなかいぶつむすめがおひめさまなものか!うちのおひめさまはちゃんといるんだ!」

「なんですって、おひめさまはわたしよ、それはにせものよ!」

「はっはっは、おひめさまはちゃんといるのだ、おさないけれどほんもののひめさまがな!それあ、むかしおひめさまはもうひとりいたけれどいつのまにかいなくなってしまわれたのだ」

「おうじょさまとおうさまはかなしまれなかったの」

「それはさいしょはかなしまれたけれど、すぐにあきらめておひめさまをひとりつくったよ。しょうがない、おうじょさまとおうさまはいそがしいんだもの」

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