プロローグ
一人称です
私はセメリア王国ユーラスト公爵家長女、フィレア・ユーラスト。
前世は大手企業社長の娘『滝川優里』。
私には前世の記憶があります。
そして、転生先は私が前世の学生時代にプレイしていたゲーム『エデン』に似た世界。
『エデン』当時は知る人ぞ知る、と言われたゲーム。
生活の大半を森の中の病院のベッドで過ごす、家に無き存在とさていた私に、友人が貸してくれた物でした。
ある日、日課である自然観賞を病院の近くの森でしていたら、赤ん坊の泣き声が聞こえ、気付いたらこの世界に転生していました。
ゲームの世界に転生したといっても同じなのは一部だけ。今のところ、世界観や食べ物などの名前しか一致していません。
こちらの世界には危険が多い。
魔族や魔物の存在、国家同士の戦争、異種族間の衝突、盗賊等の犯罪者。
確かに未練はあります。ですが、私はこの世界に転生した事を今は後悔していません。
一人だった私を励ましてくれた友人達、大好きな幼馴染みにも、もう会うことは出来ません。それはとてもとても悲しくて今でも会いたいと願うときがあります。
それでも、転生してから沢山の温かみを知ることができました。優しいけれど間違いはしっかり指摘してくれる家族や友人、婚約者。
辛く、苦しいこともありました。
慣れない貴族としての教育、国内の過激派や他国からの暗殺者、一部の貧民の反乱未遂、幼い頃からの魔法等の訓練、私も冒険者登録して、魔物と戦闘したこともありました。
それでも、幸せでした。
そしてこれから先、どんなに辛いことがあったとしても、皆で支え合って暮らしていこう、と。
何があっても諦めず、私の、国の、大切な人達の幸せの為に尽くしていこうと。
そう思っていました。
ですが――――――
「なん、でっ!わ、私は、私はっ誰なんですか!?」
――――――ここまでですね
不定期ですが、よろしくです。