雨
わたしにとって雨とはこうでした。
まいったな 一人遠出は 失敗だ。
天気予報は アテにならない。
便利な罠に 嵌まったみたい。
夕立の中 掻き分けて たどり着いたは 無人駅。
寂れてる 大きな傘で 一休み
それから家へ そう思ってた。
濡れた身で 馴れぬ駅内 進んでく
知らない椅子が
ぽつんとひとつ ぽつんとふたつ。
知らない人が
ぽつんとひとり。
降りやまぬ 大雨の音 鳴り響く
耳障りだよ 早く止んでよ。
まいったな 一人遠出は 失敗だ。
恋占いは アテにならない。
時が来るって 合図ほしいよ。
あなたの言葉 皮切りに 話し出したは 無人駅。
声姿 今見た聞いた 一目惚れ
なんだか胸が 鳴りやまないの。
知りたいよ 知ってほしいよ 片時雨。
あなたの声に 耳を澄まして。
わたしの声に 耳を澄まして。
降りやまぬ 大雨の音 鳴り響く
耳障りだよ 早く止んでよ。
またいつか 二人でここで 出会おうね。
そんな言葉に 差し返したい。
行かないでとか 一緒にいてよ。
雨の上がった 晴れ空に 恨む喜ぶ 無人駅。
この時を 相合い傘の 一時を
刹那の間でも 構わないから。
降りだして 耳に残った その声を
また聞かせてよ 遣らずの雨よ。
またいつか 薄い希望が 胸を焼く
その火に注ぐ 小夜時雨かな。
予約投稿をするか悩む今日この頃。
読了に感謝し後書きとします。
以上。