メンバー紹介をするぜぇ!!
無事に疑惑が晴れた透は縄から開放されてそのままリビングにあるテーブルに勧められ腰掛けた。
「はぁいこれ、ハーブティよ。」
長身の女の子がお茶をだしてくれた。透き通った緑色でハーブのいい香りが立ち込めてくる。
「ああ、悪いな。」
勧められたまま一口含む。うむ美味しい。
「そういえば自己紹介がまだだったわねぇ。わたしはカトレアっていうの。宜しくねぇ。……でこっちの子が」
「スピカだよ。ふわぁ~あ。カトレアぁー私にもハーブティ頂戴。」
はいはいと気前よく返事をしてカトレアはキッチン?へと向かっていった。
すると銀髪娘のスピカがひそひそと寄ってきて。
「カトレアは普段気遣いができるいいお姉さんポジションだけど昔は王都でも有名な『殺し屋』だったみたいだからあんまり怒らせないほうがいいよぉ」
「お、おう」
「はぁいスピカちゃんの分淹れてきたわよ。」
「あ、ありがとうございます。」
戻ってきたカトレアにピクッと反応したスピカが何故か敬語でお茶を受け取りそのまま無言で啜る。
そして今度はカトレアが透の耳元で。
「……今余計なこと言われたみたいだけど気にしないでねぇ。昔ちょぉーとだけ殺すのが趣味なときがあっただけだからっ。」
フフフっと笑みを見せてから透を隣の席に座ってティーカップに口をつけた。
――怖ぇぇ……取り合えずあんまり関わらないでおこう。
「ところで君の名前は?」
スピカに問われて自分の自己紹介を済ませていないことに気がついた。
まぁ色々ハプニング続きでする暇なかったんだけど。
「俺は早坂 透。ボスにスカウトされてここに来たはいいんだが地理に疎くてな。ここは何処なんだ?」
先ほどの手紙でボスからスカウトされた様な事が書いてあったので話しが合うように自己紹介をした。
「ここは王都から南に下ったところにあるウ゛ォルザーク領のメイクン区。の森の奥だよ。そしてここがウチら盗賊団『デスぺラードプリンセス』のアジトであるっ!」
ふふーんと自慢げに鼻を鳴らすスピカにカトレアが優しい笑みを零した。
『ウ゛ォルザーク領』に『メイクン区』どれも透の近所であるはずなく、つくづく知らない場所に来てしまったと思い知らされる。
「成る程な。まぁよくわからんが。……ところでそちらの方は……?」
スピカの隣で明らかに不機嫌な表情で行儀悪く座る女の子。名前は確か……。
「……エイダだよ。」
名前だけポツリと呟きソッポをむいてしまった。
当たり前の態度といえばそうであろう。自分のベットに突然いた不審な人物が行き成り仲間に加わったなど納得いくはずがない。
透もそれを理解しているのでそれ以上のことは聞かなかった。
「うーん、困ったわねぇ。作戦決行日も近いし二人には仲良くして欲しいのだけれど。」
「え?作戦?なんの?」
「なんなのって聞かれたも私たちは盗賊よぉ。じゃあ、やる事は一つでしょ?」
今度も不敵な笑みで返してくるカトレア。
彼女たちは盗賊、盗賊がやる事といえば決まっている。盗みだ。
それは至極当然のこと、当然と言っても法律やら人間の良心やらではいけないことなのだが。
盗賊が盗みをやるのはいいとして透には一つ解せない点がある。それは。
「作戦ってもしかして俺も入ってる感じ?」
「ええそうよ。少し作戦を練り直す必要があるけど。だって仲間じゃない?な・か・ま。」
だああああ!!!ちくしょおおお!!!わかってましたけど!!!なんとなくわかってましたけど!!!
「!?いや!ちょっと待てあたしは反対だぞ!こんなひょろいの絶対ぇ足手まといになるに決まってんだろ!?」
「そ、そーだ!俺は自慢じゃないが運動とか超苦手だしなんなら体育のバスケの時間だって俺がチームに入ったら見るからにいやそうな顔されるしボールとか全然回ってこないしたまたまボールが回ってきてもアタフタして終わるだけだぞ!」
「何言ってんだお前?」
「トラウマだよ!」
いきなり喋りまくる透に若干引きながらもエイダは態度を変えず。
「とにかくあたしは反対だからな!」
皆の返答を聞かないままリビングから出て行ってしまった。
「あらあら困ったわねぇ」
腕を組み指を顔に当てて困り顔のカトレアに何か良からぬ事でも思いついたのかニヤニヤしながら近づくスピカ。
両手をカトレアの耳にあてヒソヒソと何か話し始めた。
そして。
「なかなかいい案じゃなぁい!」
ぱあぁっと表情を明るくするカトレアそして透の方を向いて。
「ちょっとおつかいに行って来てくれない?エイダちゃんと二人で。」
おっしゃ三日坊主打破!!
このまま毎日投稿がんばるぞいっ!(フラグ)