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運命の始まり
少年はとある小さな村でその日生まれた。小さな村といってもその村は、古より伝わりし神々を祀る神殿があった。その村の巫女の一族は代々神々に仕える眷属であった。
ある日一人の神殿の巫女が児を身籠った。村人たちは巫女の一族の誕生を盛大に喜び、生まれてくる日をいまかいまかと待ち望んでいた。しかし、「その児は厄災である」とある巫女が予言した。だが、ほかの巫女の予言では示されておらず、日を重ねるにつれ児が厄災であるという予言も次第に薄れていったため、このことは村人には公表されなかった。児はすくすくと成長し、ついに誕生の日を迎えた。
だが今はまだ知る由もなかった。予言が真実であるということを・・・。