第2話 ハロー邪神ワーク
今日は初めなので2話投稿します!1話をもう読んでくれた方がいて嬉しかったせいです!では、感想お待ちしてます!
僕は吉川凛音。今まさに、予想だにしない事態に直面してる。
文化祭の準備をサボ……している最中に突然地面が光りだしたんだ。
で、気付いたらクラス全員此処にいた。
透き通るように白いタイルに敷かれた赤いカーペット。それが伸びる先には大きな階段があり、その上に双在する豪華な椅子。そして、その双座からは太った男の人とやせ細った女の人がこちらを見下ろしていた。いや、見下していたというのが正解かな。
そして、階段の下にいる僕たちに近づく影。僕らは総じて身を強張らせる。
「おっと、そう気張らなくてもよろしいのですぞ、勇者様がた。危害を加えるつもりは毛頭ありません」
こんな変な場所に拉致っといてよく言うよ。
「お、おい!これはどういうことか説明してくれるんだろうな⁉︎」
「はい。勿論でございます」
グフフとかヌフフとか言う声が聞こえる。あ、この部屋にはもっと人がいたみたい。
なぜかさっきまで見えなかったのだけど、大きな階段の脇には太った王様似の男性が沢山いた。中には引き締まった体つきの人もいる。けど、その声から漏れる下品な声はみんな同じ。
おっと、こうしている間に話は本題に入ったみたい。
「あなた方を、誠に勝手ながら我が国に召喚させていただきました」
は?
クラス40人が、9年間で初めて意見を一致させた瞬間だった。
ああ、9年間というのは、うちの地域では小学校、中学校と、一度もクラス変更をせずに上がる風習があるのだよ。で、御察しの通り、仲が悪い。
教室に花瓶を飾ろうものなら凶器となり、窓が配置されようものなら即割られる。
掃除道具は剣、時に銃器となり、黒板消しは煙幕として使われ、教室は瞬く間に戦場となる。
こんなに荒れてて良いんですか?良いんです。うちの校風ですから。
いけない。また話が脱線してしまった。
「ふざけんなよ!テメェ!早く戻せ!」
「それはできません」
え、ナニコレ。もしかして帰れなくなったパターン?
「ちょっとー!マジ最低なんすけどー。どう落とし前つけてくれんの?ねぇ」
「その話なんだが」
突如、場外から声が放り込まれる。いや、上からか。
「突然に失礼する。わしはリンデル王国が王。リンデル・ブラハブナ……」
「虫みてぇな名前だな」
……確かに。
「ち、ちょっと明、流石にまずいって」
「ヘーキヘーキ。あいつら、わざわざ俺らを呼ぶくらいなんだぜ。なんか困りごとがあるんだろうよ」
明とかいう同級生は落ち着いている。普段からこのシチュエーションの小説を読んでいたとかなんたら。
で、率先して喋り出す。
「魔王か?」
「む!なぜそれを!」
「図星か。大方、魔王を俺らに倒せとかいうんだろ?」
「う、うむ」
スゲー。なんて名前かもう忘れたけどこいつ何気に凄い。あ、でもそんな得意そうな顔すんな。不愉快。
「で、身の安全は保障されてるんだろうな?」
「魔王との戦いまで、貴君らの生活を保障しよう」
だってさ!と奴が振り返る。が、他の生徒からの視線は冷ややか。
「だってさ!じゃねえよ明!俺らは帰りたいんだ!」
「ねえ、国王、帰る方法、あるの?」
国王を呼び捨てにした瞬間、先に近づいて来た騎士然とした男が殺気を放ってたけど問題無いでしょ。
「魔王を倒すことで帰還することが叶うと古文書には記されておる」
「んな!そんなの無理じゃん!うちらただの中学生だよ!」
世間一般的な中学生とは違うと思う。だって、いっつも戦場で過ごしてるわけだし。
まあ、それは置いといて、女生徒の声に、王は我が意を得たりと話し出す。
「それは心配無い。貴君らがこちらの世界に渡って来る際、様々なユニーク能力を授かっている筈だからな」
「アフェクト?」
「まあまあ。それの説明はみんなのアフェクトを確かめてからにしようよ。王、できるよね?」
「うむ」
もうコイツは内通者なんじゃ無いかという疑惑の視線が向けられる。まあ、当の本人は気にせず騎士のところに歩み寄ったが。
「……こ、これは!陛下!」
「う、うむ!」
国王と騎士は驚きに目を見開き、あの、……内通者で良いや。内通者が天狗になってる。
「勇者!」
階段の脇に隠れているらしいデブ共の顔も驚愕に染まる。なにこれ、面白い。
で、勢いに乗って他の生徒が洗濯とかいうのを済ませる。あ、宣託……かな?
聖女やら賢者やら仰々しいのが出てくる出てくる。で、とうとう僕の番だ。
みんなの早くしろ的な視線を浴びつつ、僕は騎士の前に出る。さて、吉と出るか凶とでるか……
「邪神!」
へ?
如何でしたでしょうか?少しでも面白いと感じてもらえたなら嬉しいです。
短いかもしれませんが、普段文章を書くととんでも長くなることを自覚しての処置です!温かい目で見守ってくれると助かります!
では、また明日!