ぷろろーぐその2
2話です。1話が長いので無理やり分けてます。
講義が終わってから昼休みのタイミング。僕たちはいきつけのお店でだらけていた。
「あー。研究めんどくさいー。ゆーちはいいなー。実験とかなくて」
「いやみか貴様。下級生からのこう触れにくい空気を一度味わってからその言葉を吐け」
僕にからんでくるのは、北斗だ。茶髪に180cm越えの身長で威圧感があるけど、その適当具合で台無しにしている。
ザ大学生って感じでいろいろ楽しんでいるみたいだね。
なんでかこいつは人の名前を適当に呼ぶ。もう慣れたけど、ゆーちってなんだよ。
「うちは研究室も楽だし、待機時間ながいからゲームできていいよね。おっ、金卵でたよ」
「まじでか。俺今月3万使ったけどいいの出なかったんだけど」
「それはたぶんね。日頃の行いの差だよ。」
「ねーよ。腐女子」
こちらでぐだぐだいってる二人は麻耶と直哉である。
麻耶は生粋の腐女子のくせに男より女のが好きだといっている変わり者だ。
明らかに適当に伸ばしている黒髪とメガネのせいで理系女子って感じ。RPGとかだと絶対ネクロマンサーを選びそうって見た目をしている。
直哉は見た目はおとなしい文学少年って感じだけど、ギャンブル中毒。僕もたまに一緒にいってるけど講義をさぼってパチンコとか競艇とかにいってる筋金入りだ。
僕たち4人は最初のゼミで一緒になってから何故かよく一緒にいるようになった。
僕の家でたこ焼きパーティーやゲーム大会とかもよく行っている。最近のブームはカタンとドミニオンだったりする。ちなみに料理は直哉の担当である。
「そういや北斗。前来た時ににゃーに黒い球とか渡してない?」
僕はさっき置いてきた黒い球の写真と共に北斗に確認をとる。
「んー。しらないねー。まーさんかなおやんのじゃないの?」
「ちょっとみせてよ。んー。私は知らないね。直哉のじゃないの?」
「僕も知らないよこれ。ゆーくんどしたのこれ?」
北斗以外は僕をゆーくんとよぶ。名前がややこしいのもあって、気づいたらこう呼ばれていた。
「今日起きたらにゃーが遊んでた。夢でこれを力のある場所においてこいって言われたから裏の神社においてきた」
「まじでか。ゆーくんじゃあ今日は何かのお告げだね。パチンコにいこうよ」
「直哉はいらんこと言ってるんじゃないよ。裏の神社って小っちゃいとこか。あそこってパワースポットなの?」
「そーいや前に知り合いがあっこは強い力があるかもしれないし、ないかもしれない的な事をいってたようないってなかったようなー」
北斗は友好関係が広いからいろいろな話を知っている。適当に覚えるから信頼度はほぼないけど。
「北斗よ。適当すぎてわかんないよ。まぁ誰のでもないのならおいてきたけどいいでしょ」
「いーんでないの?じゃあそろそろ忙しい俺は研究室に戻ろーっと」
「じゃあうちも戻るかなー。直哉とゆーくんは?」
「じゃあゆーよ。では戦いに参ろうか。昨日いつものとこが新台入れ替えだったからワンちゃんあるかもしれぬ」
「何キャラなのよ。今日はもう講義もバイトもないし・・・。うん、じゃあ直哉についていこうかな」
「・・・直哉は卒業研究落としてもしらないよ。じゃあ北斗いこっか」
「ういー。じゃあおつかれさんー」
「「おつかれー」」
その後直哉といったパチンコで僕は収支がプラスマイナス0だった。お菓子を入れたら気持ちはプラスだね。うん。
ちなみに直哉はぼろ負けして2万円もする煙草(定価500円)を吸っている。
こんな感じで僕の一日が終わり、帰ってからは適当に晩御飯を作ってにゃーと遊んで昨日もらった目覚ましをかけてそのまま睡眠。だいたいいつも通りの一日だった。
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はい。回想終了。これってあれかな?どう考えても黒い球のせいだよね。
ぐずついてた子供もようやく泣き止んできてようやくコミュニケーションが取れそうだ。
「君大丈夫?いったいどうしたの?」
僕もいったいどうなったんでしょうか。と内心で叫びながら子供とコミュニケーションをはかる。
「ゆーくんやっと帰ってきた。もう会えないのかと思って」
ここでまたうわーんと泣き出した。僕の名前を知ってるし、これはいったいどういう状態なのだろうか。