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7. 調教

私は、サードニクス国の双子の王子たちに何が足りないのかを考えた。

紗奈様に犬扱いされ、首輪を嵌められた。

そう、首に首輪を嵌められた。

首輪...、首輪...、首輪?

やっと、思いだした『リード』が足りないのです。

犬の散歩に必要なリード。

何か思考が霞がかったようなモヤモヤ感があったのですが、これでスッキリしました。

私はさっそく、業者にリード作りを依頼するために出掛けた。

業者は、「新たな道具ですね」と目を輝かせながら、依頼を快く引き受けてくれた。

紗奈様に必要な道具になるであろうと、依頼したグッズはその道の人に大受けらしく、それなりの注文を受け作っているそうです。


数日後、『犬専用のリード』ができました。

「紗奈様、『リード』ができました」

「さすが、侍女という名のサポートキャラね! 私も、犬たちには何かが足りないと思っていたのよ!」

「数日間、思い出せずに苦労したかいがありました」

「ふふふっ、ご苦労様。さっそく、散歩がしたいけどどうしよう?」

「それなら、ここの庭はどうでしょう?」

「でも、大丈夫? 人が来ない?」

「もちろん、大丈夫です。 国王様と父様を脅...もといお願いしたら、快くこの別邸を紗奈様専用にしてくださいました」

「本当っ!? ありがとう」

「いいえ。それと、『フリスビー』もございます」

「至れり尽くせりね。さっそく、犬たちで散歩して遊んでみるわ」

人間椅子化した第一王子様は犬化した双子の王子たちを嫉妬の目で睨み、不満そうにしました。

犬たちは、勝ち誇った目で第一王子様を見て紗奈様と戯れて遊んでいます。

私はというと、犬化しても所詮人間なのでフリスビーで遊ぶのは難しいなと思いました。

目の錯覚かもしれませんが、双子の王子たちに犬の尻尾が生えてブンブン尻尾を振っている幻覚が見えます。気のせいでしょうか?


紗奈様が犬たちと戯れている時に、思ったより早く来た乱入者が、紗奈様の部屋に来ました。

弟のヴァジムです。

「異世界の巫女、これはどういうことですか? 異世界の巫女といえど、やっていいことと悪いことがありますよ!」

とりあえず、私は気になったことにツッコミを入れました。

「ヴァジム、紗奈様に様付けして言わないと失礼ですよ」

「姉さん、あんたは黙ってろ! あんたが、異世界の巫女を押さえつけていないから、こんな状況になったんだろ! 反省しろ!」

大声で怒鳴ることしかできないのでしょうか、この愚弟は。

「すべてを奪われてこの世界に誘拐されたのですから、この程度のストレス発散は容認するべきですよ」

状況を理解しようとすらしないのは、愚弟の方だったようです。姉さん、悲しい。

「そんなの俺たちに関係ないだろ! 異世界の巫女は、この世界のために召喚されて当然だ! 異世界の巫女なら、大人しく言われるままに役目を果たしていればいいんだよ!」

ずいぶん、傲慢な考え方ですね。

こんな風に育てた両親には、後でじっくりチクチクねっとりお説教をしましょう。

それにしても、この乙女ゲームの攻略対象がこんな考え方しかできないなんて、世も末ですね。

私は気配を消して音もなくヴァジムに近づき、ヴァジムに亀甲縛りをしました。

そして、手刀で気絶させました。

「すごいわね、ヴァレンティーナ。さっきまで、言いたい放題言われて怒鳴られてイラついていたけど、スッキリしたわ」

「それは、よかったです」

私は、各種武器?を収納しているクローゼットの中から三角木馬を取出しました。

亀甲縛りを解き、紗奈様と一緒に三角木馬の上にヴァジムを乗せ、彼の手足を縛りました。

「紗奈様、ありがとうございます。私一人ではこの上に乗せにくかったです」

「それはいいわ。でもなんで、三角木馬が?」

「とある大人用ゲームを参考にしたのです」

「そ、そう...首輪はあるの?」

「もちろん、ございます」

私は、ヴァジムの名が書かれた首輪をクローゼットから取出し紗奈様に手渡しました。

「ありがとう。そうだ、今日は人間椅子は来るの?」

「今日は、公務があるので来れない日です」

「よかったわ」

気絶させたヴァジムが目を覚ましました。

「なんで、俺がこんなことになっているんだよ! ふざけるな、今すぐ俺をコレから外せ!」

三角木馬の上で暴れようとし、三角木馬の角に体が当たっているヴァジムはそこで悶絶しました。

異世界の巫女様である紗奈様に対し、不敬な態度を続ける愚弟を見ると姉としては泣けてきます。

「姉さん! 泣くくらいなら、コレから俺を外してくれよ」

「紗奈様、私はいつものように廊下で見張りをしてますね」

「いつも、ごめんなさい」

「愚弟がしでかしたことを思えば、これぐらいするのは当然かと」

「姉さん、俺を無視するなよ!」

「それもそうねとしか言えないのがつらいわ。それじゃあ、お願いね」

「ヴァジム、しっかり紗奈様に愛を教えてもらうのですよ」

「大丈夫よ、ヴァレンティーナ。なんたって、私が彼に愛を教えるのよ!」

「そうですね。紗奈様、頑張ってください」

「うん、頑張る!」



数時間後、紗奈様の部屋に戻ると、三角木馬から離さないでと紗奈様に泣き叫ぶ愚弟を見ました。

とりあえず手刀で気絶さえ、家まで片手で足を引っ張り引き摺って行きました。

後頭部が禿げていないといいですね。

その後は、きっちりしっかりネチネチと両親に説教をし、なぜか両親が顔色を悪くして魂が抜けているような顔をしました。

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