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4.召喚少女がやって来ました

あれから、グレタ王女様とクライヴ少年に懐かれました。

目の前でトラウマになりかねない人殺しをしたのに、懐かれるって不思議ですね。何故でしょう?

私には分からないことなので、考えないことにします。

そうそう、弟ヴァジムが家業の修行に入りました。

遅いなとは思ったのですが、父様によるとあれが普通らしいです。

マジでか!?



私が17歳になった桜の咲く頃に、異世界の少女がこの世界に召喚されることが決定しました。

異世界の少女の侍女になるため、他の少女たちを蹴落とし脅し、父様を脅しました。どこぞのオヤジの涙目は鳥肌が立つほどキモかったです。ドン引きしました。

そして、晴れて国王様の許可を取り念願の侍女になったのです。

あとは、異世界の少女を待つばかり...


友人のアメジスト大公に、異世界から少女を拒否権なしに誘拐することを国がどう思っているのかを訊きました。

アメジスト大公は私の危惧していることを同じく危惧していて、国王様に「少女のすべてを奪って、この世界に召喚すること」についてのお考え尋ねたらしいのですが、「この世界のためなのだから、そんなことくらいどうでもいいだろう」だそうです。

いや、よくないですから。むしろ、この世界に拉致った後のフォローどうするのですか?という感じ。

これが、私が侍女にすんなりなった裏事情なのでしょうか?

アメジスト大公が、異世界の少女を心配して私を侍女にするよう無理に押し通したと言ったのです。なるほどと思いました。

他の少女たちでは、イケメンたちにかまわれる異世界の少女に嫉妬してしまいますものね。

私なら、『どこからともなく湧いて出てきて気持ち悪い』と言ってしまいそうですが。


そして来る毎年恒例のこのアクアマリン国でする『海への感謝』という宴で、各国の王族が集まるねんどくさい行事。

今回の宴の目玉が、『異世界巫女召喚の儀』です。

これは、各国の神殿に勤める霊力の強い巫女たちが『召喚の舞い』を踊ります。

そして、この世界に拉致...じゃなかった召喚をするのです。

やがて、召喚の舞いをする巫女たちの体力が限界になって倒れた時、異世界の少女がこの世界に降り立ちました。

ふつうに、可愛らしい女の子です。

この子が平凡って、あのゲームの女の子感ってどうなっているんでしょうか?謎です。

そして、アクアマリン国王が少女に声をかけます。

「ようこそ、異世界の巫女よ。

そなたは、この世界で恋をして、この世界を救ってくれ」

短っ!

そんでもって、『ようこそ』ってなに?

勝手に拉致しておいて、用件だけ言う?

ツッコミどころしかないですね、うちの国の王様。

アメジスト大公は、額に手を押さえて呆れています。

「わかりました。少し疲れているので、休んでもいいですか?」

順応早いですね。もしかして、転生者!?

「おお、気がつかなくて悪かったな。ゆっくり休むがよい。ヴァレンティーナ、巫女を部屋まで案内しろ!」

「分かりました、国王様」

「失礼します、国王様」

私は異世界の少女を連れて、彼女のために用意された部屋まで向かった。


「着きました、紗奈様。この部屋が、紗奈様のために用意させていただいた部屋です」

「えぇっ!? 私、自己紹介しなかったよね? あなた、もしかしてこの世界が乙女ゲーム『この世界を君の手に』って知ってるのね?」

「はい」

「それにしてもあの男、人を強制的に誘拐して何の謝罪もないの?ふざけないでよ。この世界の都合だけで、勝手に誘拐しておいて!」

「そうですね。召喚じゃなくて拉致ですよね」

「そこは、この世界の人間として、否定しなさいよ!」

「事実ですので」

「~っ、もういいわ。それで、あなたの名前は?」

「ヴァレンティーナ・ラピスラズリです」

「てことは、攻略対象のヴァジム・ラピスラズリの妹、姉どっち?」

「姉です」

「妹も姉も名前すら出なかったもんね。ヴァジム・ラピスラズリの紹介で、姉と妹がいるって分かるだけで」

「そうですね」

「あの男に、『この世界で恋をしろ』って言われたけど、攻略対象たちに恋しなくてもいいのよね?」

「そうですね。攻略対象たちは、紗奈様の恋愛の相手として用意されていますけど」

「イヤな言い方ね。つまり、この世界で恋をすれば攻略対象たちを潰してもいいのよね?」

「潰すとは言葉が過ぎます。『愛を伝える』と表現した方がよろしいかと」

「物は言いようね。分かったわ、『私なりの愛を伝える』っていい分で通すわ。とりあえず、乙女ゲームで言えば、私が召喚される元凶は攻略対象たちであってるかしら?」

「はい、そうです」

「なんか、ムカついてきた」

「殺り返すように、このクローゼットに必要な道具をご用意させていただきましたが」

そう言って、私は各種武器?を収納しているクローゼットを開けた。

「私、SM趣味はないんですけど?」

「彼らを殺れないんですよ? なので、調教してしまえばよろしいかと」

「なるほど。さすが、サポートキャラね。ゲームではいなかったけど」

「サポートキャラといっても、攻略面では私は役に立たないですよ」

「なんですと!?」

「攻略サイト『乙女の花園』にお世話になっていたので」

「それ、私が作った攻略サイトじゃない」

「お世話になりました」

「いいえ、それほどでも。っじゃない」

「大丈夫ですよ。ゲーム知識があるならその分、攻略対象たちに早く愛を伝えればよいのですから」

「それもそうね」


こうして、前世のゲームやアニメ、そして漫画のことを語り合いながら紗奈様との友情を深めました。

主人公に、グレタ・アクアマリンとクライヴ・アメジストが懐いたのは、その後のフォローをしっかりしたためです。

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