表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光のそばで  作者: ぬこぬこ教徒
第1章
4/7

光の雨/夢の中に

 幾度も幾度も降り注ぐ光の雨。

 それはまるで、枝と枝の間から通った暖かなな木漏れ日のよう。

 空から降り注ぐ光の雨は桜の花びらのように舞い、海のように果てしなく、本のように深く、雪のように儚く消えてゆく。

 光はどこから来て、どこに消えてゆくのか。

 〝わたし〟にはわからない。

 光は幻であり、そこにあってそこにない。ゆえに掴みどころのないものなのだ。

 どうしてこんなにも、もどかしく思えるのだろう。

 どうせなら、〝わたし〟もあの光と一緒になりたい。一緒になって、消え去りたい。

 そうすれば……きっと。

 だけど、それは叶わぬ願い。

 〝わたし〟は今日も光を見届ける。


× × × × ×


 薄い微睡(まどろ)みの中、『ぼく』という存在があり意識がある。

 だけど、それは知られてはいけない意識だ。

 夢という無意識に見る脳の働きが『ぼく』を維持してくれているから、存在する事が出来る。

 人は皆、夢を見る。良夢も悪夢も。

 夢があるから、正常な暮らしがある。なければいずれ壊れるだろう。

 きっとそう言うものだ。そうでなければ『ぼく』という存在意識が生まれる事はなかった。

 そう言うものなのだから。

 『ぼく』を宿す主は白紙に何色にも染まっていない、純粋な存在だ。

 いずれは『ぼく』という存在に気付くことだろう。

 だから……それまでは──

 それまでは、『ぼく』は夢の中に存在する事にする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ