世界にひとりだけの彼女に恋をした。
久しぶりに短編です。
また、小説より詩に近いかもしれません。
僕はクラスメートの彼女に恋をした。
どこにでもいる女子高生。そんな彼女に恋をした。
特別美人でもないし、超スタイルがいいでもなく、すごく頭がいい訳でもない。
そんなどこにでもいる普通の彼女に。
クラスにいる彼女は教室になじんで目立たない。
それでいて地味なタイプ。
でも、いつからか、気になり始めて彼女を目で追い始めている、僕。
僕は彼女に恋をした。
でも、彼女は僕に気づいてくれるだろうか?
だって、僕は特別顔がいい訳でもないし、超スポーツできるでもなく、すごく背が高い訳じゃない。
そんな僕に彼女は恋をしてくれるだろうか?
クラスにいると僕は教室の空気の様で、存在がわからない。
それでいて彼女と同じで地味なタイプ。
でも、いつかは僕を――――――――また、その丸くて黒い瞳でみつめてほしい。
そして、今日明日にでも、今すぐ僕に気づいてほしい――――――確かに存在する教室のなかで、僕をみつめてくれる事を今も願っているんだ。
僕はそんな彼女に恋をしている。
お互い教室で口も聞いた事もなく、名前もしっていた訳でもなく、大勢いる中のクラスメートだった。
廊下に沢山の生徒がいるなか、偶然、僕の背中にぶつかった君――――――黒く丸い瞳の彼女が僕をみて謝ってくれた日、君の存在をあらためて知った僕。
そして、教室の中から彼女をみつけると、勝手に視線が君を追いかけるようになっていたんだ。
大勢の中のひとりだった君が―――――――――いつからか、僕のとても大好きな彼女になった瞬間。
そうして、僕は世界にひとりだけの彼女に恋をした。