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先輩と生徒会副会長

なんとか、尾崎くんに着いていったら当初の目的の学校最寄りのバス停に着いた。


あ、尾崎くんっていうのは私がついさっき出会った男の子で、尾崎(おざき) 龍平(りゅうへい)って言います。


バスの中で自己紹介しあいました。


ちなみに、私が高2だということは伝えられませんでした。言おうとすると、尾崎くんからの言葉で遮られてしまうのだ。そんなことを繰り返していると、バスは学校最寄りのところに着いてしまったのだ。


もうすぐで校門前だが、何とか遅刻しないですまなさそうだ。尾崎くんに感謝感謝。


「ふぃーっ。着いた着いた」

尾崎くんがそう声を上げると、


「やーたーみーこーとー?」

「っ!!」

いつもよりドスのきいた、聞いたことのある声がして必要以上にビクついてしまった。


「今までどこにいたのかなぁー?学校には遅刻してないとは言え、俺たち生徒会の集合時間には間に合ってないようですがー?」

「っ!!え、えっと、これにはふか~い訳がありまして…」

「深い訳ってなんだよ。まさか、バスの中で熟睡して寝過ごして知らない場所に行っちゃって、迷ったとかじゃないよなぁ…?」

「……」

「どうなんだよ…」

「ぴ、ピンポーン!!」

「ピンポーン!!じゃ、ねぇよ!!」

「痛っ!!」


なんだよ…。こいつこそ真のテレパシーを使える奴か…?

「テレパシーじゃねぇよ」

「何でわかるのっ!?」

「顔にかいてある」


こんな私に暴言吐きまくりな、テレパシーのつかえ…

「使えねぇって」


……コホン。えぇっと、テレパシーが使えるかもしれない、使えないかもしれない、彼は生徒会副会長の高橋(たかはし) 理央(りお)である。


ハッ!?

あることに気付いた。

そう、ここには尾崎くんが居ることを。


振り返るとそこに居たのは、フリーズしている彼。


「お、尾崎くん…?」

「ハッ!…え、えっと、矢田さんは生徒会に入ってるんですか?一年生になったばかりなのに?」


名前を呼び掛けると、現実に戻ってきた尾崎くんが私に問いかけてきた。


「何、言ってんだ?こいつ、2年だぞ?」

「…へ?」

「えっと…」


私の代わりに高橋くんが答えてくれた。


私を指差す高橋くん。

こっちを向く尾崎くん。

言葉に詰まる私。



「え、えっと…、ごめん…」

少しの沈黙のあと、尾崎くんが謝罪してきた。


「へ?な、何で謝るの…?」

尾崎くんが謝る意味がわからなくて間抜けな声が出てしまった。


「だ、だって…勘違いしたし…」

「いや!!全然大丈夫だよ!?ちゃんと訂正しなかった私も悪いんだし!」

「ほんと…、ごめん」

「い、いいよ…」


「て、てか先輩なんだ…。矢田先輩?」

「はい…」


ひゃわーー!!

かっ、かわいぃ!!

先輩とか言われたのちょー久しぶり!!おまけに尾崎くん、ちょっと首傾げてるし!

ど、どうしよう、照れる…


「敬語使わなきゃ、だよな…?」

「えぇっ!?つっ、使わなくていいよ!!」

焦って顔の前で両手を振る。


「でも、先輩だし…」

「いいよ!気にしてないし。それに、敬語ってなんか、よそよそしいし…」

「そっか、じゃあこのままだな!!」

「…うんっ!」


なんか尾崎くんめっちゃいい子だなー…


そんなことを考えてほわほわしていると、


「おーい。交流を深めるのはいいが、矢田。自分の仕事忘れんなよ~?」


高橋くんの一言で、私の体には電流が走ったようになった。たちまち、変な汗がたくさん流れ出す。


「お、怒られる…。……ご、ごめん、尾崎くん!!私は今から大事な用があるのでおいとまします!!じゃあねー!」

最後の方は走りながら言った。


そんなわけで、尾崎くんと高橋くんを置いて私は、生徒会会長の元へ向かう。





……怒られに。否、殺されるかも…。


目に涙を浮かべながら私は走る。

ふおぉぉぉ!


何書けばいいのやら。

初っぱなから詰まりそうだよ…


ガンバリマス。

あー、腹壊した…

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