エピローグ
ふあぁぁ……
ワシがあくびをすると、上の方からふわぁと小さくあくびが聞こえる。
このギルドマスター室にある相棒の椅子は、肌触りはもちろん、適度に陽のあたる最高の寝心地の椅子じゃ。
昔は相棒と、今は新しい相棒と仲良く日向ぼっこをしておる。
机の上には書類やら本やらが山積みになっておるのじゃがな―――
初めてのギルド戦では、ククルは結局ストレス発散できずじまいじゃった。
まぁ仕方ないの。一周忌にうちのギルドが一年ぶりにギルド戦を組むということで、他のギルドのやつらがその日限定のギルドを作って集まっておったんじゃから。
この世界でも上位に位置する者共の集まりの中で、我が新しき相棒は明らかに浮いておったからの。
なのに新しいギルマスということで相手が歓迎の花火という名の集中砲火してきおって……
さすがのワシも護るので精一杯で全く攻撃ができんかった。
それが悔しかったのか、結局相棒は終了後の反省会で私を鍛えて下さい、私に力を貸してくださいと頭を下げてまわっておった。
あいつと全く同じ頼み方をするもんじゃから、結局皆そのままギルドに残ることになっての。
ギルド「ヒナタ」再結成となったわけじゃ。
そして半年がたった今、相棒は周りに鍛え上げられ、今ではギルド戦でも多少活躍ができるようになってきた。
ギルド自体も過去の栄光を徐々にではあるが取り戻しつつある。
メンバーもゆっくりとではあるが時計の針が動き出したようじゃ。
これでよかったのかどうかはわからんが、この状態をみたらあいつも喜んでくれるんじゃないかの。
さて、廊下からこちらに歩いてくるのはおそらくシズネじゃな。
相棒はどうやらこの紙の山を前に再び寝てしまったようなのじゃが……
起こしてやらねばシズネのハリセンが飛んでくるのぅ。
まぁよいか、巻き添えをくらわぬように逃げるとしよう。
これも勉強じゃろうて。
椅子から飛び降り、部屋に入ってくるシズネとすれ違いで廊下にでる。
さて、これから説教で動けぬ相棒に代わり、今日も見回りでもしてやろう―――
短くしすぎて色々と不足している所もありますが、これで完結になります。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。