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004.ヒナタとキリカとシュナイザー


 ギルドマスター室は二階の端にある。

 

 外に出るためには一階ホールへ降りる階段を使わなければならぬのじゃが……


 いつもはすぐに着くはずのその階段も、今日は何故か果てしなく遠い。


 理由は至極単純。後ろから斧を持ったキリカが追ってくるからじゃ。


 それだけならよくあることじゃし、適当に避けるふりをしてじゃれていればよい。


 いつもならそうじゃ。いつもなら……



 ……今日はいつもは使わないスキルまで使ってきよる。


 危ない、今少しかすったぞ?


 キリカはギルドのメインアタッカーの一人。その攻撃は竜の鱗にすら傷をつける。


 つまり何がいいたいかというと……


 ちょっとワシ、命が危ない。


 ま、まてキリカ、ワシが悪かった。少し話し合おう。


 何?さすがの私ももう我慢の限界だ?


 いやいや、地下世界で邪神の眷属共にやられた物量作戦を思い出せ。


 あの時は終わりのみえない戦いにも負けず、共に最後まで立っていたではないか。


 つまりあれじゃ、まだお主は我慢できる。


 ……あれとこれとは話が違う?


 ちょっと、やめて、その構えはやめて。


 キリカ様?ギルドハウス壊れちゃうよ?


 え、『ギルドハウスは』傷つけられない仕様だから大丈夫?ダメージ無効?


 いや、ワシは?ワシは死んじゃう?


 活路、活路は……あぁ、あれじゃっ!


 まずは、手すりに飛び乗るっ


 そしてっ、二階からダイブっ


 五階まで吹き抜けになってるロビー。


 その吹き抜けを飛び降りるワシ。ちょっとかっこいい。


 後ろから斧を振りかぶって飛び降りてくるキリカ。ちょっとじゃなくこわい。


 一階ロビーにおるのは魔術師の男、シュナイザー。ワシの救世主。


 まずはワシがシュナイザーの背後に着地する。


 シュナイザーに気づいたキリカの顔が赤くなり、恥らう乙女にかわる。


 やれやれまたですかと頭に手をあてたシュナイザー。


 風の魔法を使いキリカを優しく床におろす。


 そして始まるキリカへの説教。


 借りてきた猫のように大人しくなるキリカ。


 ふむ、作戦通りじゃな。



 大抵あの説教の後は泣くキリカを慰めるためにシュナイザーはデートに誘う。


 これで今回のはチャラになるじゃろて。


 それにしてもキリカもいつもあぁしておれば可愛げもあるというのにのぅ。


 シュナイザーもシュナイザーじゃ。お互いさっさと自分の気持ちを伝えればよいものを。


 まぁよい、今はさっさと外に逃げるとしよう。



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