表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思うがままに生きるのはむずかしい  作者: たま13世
唯我独尊(ゆいがどくそん)の章
20/25

第20話悲歌慷慨(ひかこうがい)

あまりよい《《いわれ》》のある石では、なさそうじゃの」

さっきまで寝ていたゼロが、急に喋りだす。

「はっきりはわからんがの、現物を見ているわけではないのでの」

「何かわかるのか?わかる範囲でいいから。」

ゼロお前隣の女神より役に立ちそうじゃないか。

「うむ、あの石は恐らく」目をつむって考えている。

しばらくの沈黙。恐らく?

「わしにもわからん。」

ひっぱるだけ引っ張ってその回答?新喜劇なら全員ひっくり返ってるぞ

気が付くとこぶしを握りめていた。思わずグーパンチが出そうになるがそれよりも早くゼロはシュリーの、後ろ回し蹴りを、受けて吹っ飛んでいた。

シュリーさん最近きびしいね、手より先に足がでるし。足癖悪いね

ブギゃ、とよくわからない声を出して、ゼロが壁にぶちあたる。

可哀想に。自業自得だが。

さらにシュリーが格闘ゲームのダウン攻撃よろしく、ジャンプしている

「やば」

俺は慌ててゼロとシュリーの間に割って入りかろうじてゼロを救い上げる。

「全く容赦ないのう。かわいい猫にも。動物虐待じゃぞ」

「まったくこのくそ爺が」

ゼロに反省の色はない。のんびり毛づくろいをしている。

「まあ冗談はこれぐらいにしての石じゃがな、それは恐らく」

恐らく?

「わからんちー」

さんざん溜めたくせに、こいつもう一回やりやがった。

このくそ猫!シュリーがゼロひっ捕まえると窓を開けて放り投げようとしている。

「ま、まてシュリー」俺は必死で羽交い絞めにして、おさえる。

「離せ、大我こいつにはわからせないとだめなんだ!」

わかる、分かるけど、シュリーここは抑えてくれ、君はこの物語のヒロイン枠なんだから、残虐非道なヒロインはさすがにちょっと勘弁してください。

しかしこういう時は自分より怒りが大きい人がいると不思議自分は落ち着いて物が考えられるだなとふと思う。

しばらく抑え込むと少し落ち着きを取り戻したようで、ゼロを床におろす。

「ゼロ、頼むから真面目に答えてくれ、ここからはシリアスモードで。でないとこれ以上は庇えないし、本当は知らないなら知らないでいいから」

「あれを知らんわけなかろう、どこぞの、ダメ女神とは、違うワイ」

ゼロはこともなげに後ろ脚で頭を搔きながらいった。

やばいシュリーの後ろに怒りのどす黒いオーラが見える、もう神じゃなくて悪魔なのではと疑うレベルだ。どうしてこんなに煽るの。

「あの石は元々妖異だったものが精を失って石になったものじゃ、日本ではなんといったかの?」

妖異が石になったとしたら、もうあの石しか思い当たらない、

昔、妖狐が日本で討伐されたときにできたと言われている石

殺生石せっしょうせきか」俺は思いついた名前をポツリと呟く。

「おお、そうじゃな、その呼び名よばれておったな」

くそ、なんてこった、よりにもよってコックリさんに殺生石を使っただと?

「なぜ、殺生石と呼ばれておるか知っておるか?」

玉藻前たまものまえの怨念で毒気を吐いて周りを殺すからでは?」

「ふむ、一般的にはそう思われているじゃろうがの。実際は玉藻前だけでなく残留思念を残した妖異の本体が、石化したものの総称なのじゃ」

じゃあ殺生石は一つじゃないのか

「そして、なぜ、それらが毒気を吐くかというと、一つは怨念が具現化しとるんだが、本当の理由は周囲で死んだ者の魂を、吸い取って復活するためのものなんじゃな、だから厳密には、ただ石化しているのであって死んでおらんのだ」

だとすると、俺が顎に手をあてて考えているとシュリーが

「石なら石妖せきようの可能性もあるからしら」

「石妖?」ちょっと聞いたことないな。シュリーの説明によると、男をたぶらかして精気を吸い取る妖怪らしい、ちょっと沙也加のイメージが重なる。同じものなんだろうか?

「同じものじゃろうな。砕かれて細かくなってしまえば元々持っていた意識も分断され何を目的としていたかもわからぬまま人の精気を吸うことのみの妖異になってしまってもおかしくはないわな」とゼロが解説してくれた。

「願わくばそういった小物の類であってほしいわね、さすがに玉藻前クラスは怖いわ」

「だいぶやばいのかい?」

「それはそうよ、自身の力が、及ばない相手ですもの、相手ができるのは人間だけだから」

確か、妖異の類は別次元から来てるからこの次元にしか影響を及ぼせない神が管理できない、だから力を使っても滅せないだったかな。

神とはいえことわりの外には対応できないということか。

「神が対処できない理由は聞いたけど、人間も同じことでは?」俺は前々から持っていた疑問をぶつけた。化け物相手に人間の方が力不足だろう。

「それは人間が不確定要素を持ってるからよ」不確定要素?

「神にも予測できないカオスなところからしら。理の中にあって理を覆す。まあ何事にもイレギュラーは存在するわ」うむ、まったくわからない。

ここで考えても仕方ない。今はともかく石を確認することが最優先だ。

俺たちは沙也加の部屋を再度訪れることにした。

またみっちりと動画に付き合わされるんだろうか。前回は雑談のような感じ終了したが今度は何を求められるやら。下手にコラボすると面倒くさいんだよな。女の子相手だから信者がいちいち絡んでくるし。沙也加とコラボしてうちの動画はめちゃ低評価増えたし。

「まあいいじゃない、そういうのも精神修行よ」

まったく気楽に言ってくれるよシュリーは。


悲歌慷慨ひがこうがい

社会や運命を悲観し嘆き憤ること

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ