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思うがままに生きるのはむずかしい  作者: たま13世
唯我独尊(ゆいがどくそん)の章
18/25

第18話軽挙妄動(けいきょもうどう)

「大我、この動画再生回数かなり増えてるよ」

相変わらず居間で寝転んでいるシュリーが言う。

自称都市伝説系動画投稿者の俺が作った動画。都市伝説の検証をやったやつだ。

今回はこっくりさんやウィジャ盤に代表される古典的な交霊術に関する考察したものだ。実際にやってみて、ポルターガイスト現象も撮れたからだろうか、かなりの再生数になっている。

まあゼロに協力してもらったのでトリックではないが、ずるをしているといえばその通りだ。

なぜかあの一件以来この猫はうちに居ついてる。衣を着替えないのか?と聞いたところ、楽しそうなことが見つかったからしばらくはここにいるのだそうな。

ちなみに衣を着替えるというのは猫は大好きな飼い主に生まれ変わって会いに行くらしい。その時に模様がちがったりするので衣を着替えると言うそうだ。

まあ実体ではないのでペット不可なうちのマンションでも問題なかろうということでほっといている感じだ。

「そうだなあ、まあみんな暇なんじゃないの?」

と言いつつ、世界がオカルトに傾倒するのは世紀末的な思想だと前世紀の末に聞いたことがある。もっとも今は21世紀で世紀末はまだまだ先だ、となるとソドムとゴモラ的な怠惰で廃れた荒廃思想なのかもしれない。神も、人類にはさぞかしお怒りだろう。と、思ったがゼロもシュリーもなんとも思ってないそうだ、そもそも人間なんてつまらない物を作ったのは神じゃないとのこと。曰く作るならもっとまともなもの作るそうだ。

「そんなことより仕事よ」シュリーにたしなめられる。

「さっきの話の流れから、今回は交霊術の類かな?」

「相変わらず勘は鋭いわね。これよ。」

そう言って動画を俺に見せる。

どうやらライブ配信していた映像をまとめた物のようだ。

4人の少女が四角い紙を囲んで何やらやっている。

交霊術の定番な質問をしてそれに対しての答えに一喜一憂している。

が、何か違和感がある。

みな左手に何かを握っているのだ。

左手に注意していると、突然一人が意識を失った。そこで動画は終了している。

「シュリー彼女たちが持っていたのって」

「恐らくあの球よ」

なるほど。調べてみたが彼女たちの動画では他にはないが交霊術の最中に意識がなくなるという似たような内容の話がいくつかでまわっている。全部が全部球が関わっているかわからないが。単なる集団ヒステリーという線もあるだろうし

「しかし個別に対応はかなり厳しいな」

「じゃあとりあえずこの子達にコンタクトしたら?」

ともかく書かれている先に連絡をしてみた。

話を聞きたいことを伝えると二つ返事で了解がとれた。こんなに簡単でいいのだろうか?と考えていると、次の日に理由がわかった。

次の日にあげられていた動画のタイトルは、朧朧猫さんとのコラボ決定などと書かれたものだった。

「あらら、こんなこと書かれてるわね」とシュリーも苦笑している。

ちょっとでも名前が知れてるとこのざまだ。まあ悪い気はしないが。便利だし。

コラボするかわさておいてだが。

ともかく俺は主に会いに行くことにした。

しかしここのところの依頼は何故か女性だけが関わっていることが多い。なんでだろう。シュリーに聞いてみるが、さあね、そんなこと聞かれても、たまたまかな?それともあれ?モテキとかいうやつ?とか言われてしまった。

冗談でもやめてほしい、妖異とかに取りつかれる奴ばっかりたまったもんじゃない。「またまたホントは嬉しいくせに、このエロじじい」

誰が爺だ、と反論するとエロは否定しないんだ、と返された。まあ男はみんな本能的にエロいのとだけいっておく。

さて、今回の相手は、高田沙也加さん高校生いわゆるJKだ。

早速家に行って話をする。朧朧猫ですととあいさつをして家に上がらせてもらう。名も知らぬおっさんが娘を訪ねてきたのに何の不信感もないのかと思ったがどうやら母親も俺の動画を見ているらしい。あっさり沙也加さんの部屋へと案内された。

毎度のことながら女性の部屋にはなれない。ましてや今回はめっちゃ若い子。あんまり周りを見ないようにしよう。

部屋に入るとセーラー服姿の茶髪の女の子がベッドの上に座っていた。まあ街中でよく見かける感じ、悪く言えば特徴の薄い子だった。

「どうもはじめまして、ろうろうね」と話しかけたとき、

「ごめんなさい コラボのことですよね?勝手に言っちゃってでも、ほら視聴回数めちゃ増えましたし」

こちらが何を言うけでもないが、勝手に話してくる。いちおう罪悪感はあるようだが「フム、しかしね、お嬢さん。勝手にするのはどうかと思いますよ?、さらに言うなら今も、断りなくカメラ回してるでしょ?」わからないと思ったのだろうか。部屋の真ん中にテーブルと座布団がある。なのに初対面の人に対して自分はベッドに座る、しかも端っこに。カメラのアングルを調整してるからなんだろうと。

「学生だから許されるとかは、ないですよ?法律とか勉強した方がいいかと思うんですけどね」

「あっ、ばれてます?ごめんなさあい」そう言って自分を頭をこつんと叩いて小さく舌を出す。

うーむこいつは典型的な何を言ってもダメな奴だ。

さっきのような仕草で信者たちをたぶらかしてきたんだろうが齢40過ぎのおっさんには効果は無い

「ハイハイ、ダメなものはダメ、とりあえずカメラ止めてね」

はーい、といって机の上に置いてあったカメラのスイッチを切る。

「一台だけじゃないでしょ?」

さっき謝ったときに微妙に視線がずれてたからなあ。カメラ目線なんだろう

「チッ」

あ、こいつ今舌打ちしやがった。ほんとめんどくさい、もう帰ろうかな。


軽挙妄動けいきょもうどう

軽はずみな行動のこと

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