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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
亜人と幻想郷
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幻想郷のその後

 ハルとリルが帰った後の幻想郷。ハルの親であるアリアとミゲルは長老のガリウスと話していた。


「ついに出ていくことにしたんだな。ミゲル、もう腕は平気か?子供の前だからかなり無理してただろ」


「もうだいぶ良くなってきましたよ。魔力で動かす義手、これはかなりいいものですけど人族の僕にはかなり慣れるまで大変でした」


 ミゲルが使っている義手、これは魔力で動かすことができ、慣れてくると自分の手のように動かすことができる。しかし亜人種と違い、魔力核で魔力を生み出しているわけではない人種は魔力の生成量が限られる。ミゲルの意見を取り入れここにいる技術職の者がかなり改良を加えて今の義手になっていた。


「もしかするとハルにはバレていたかもしれませんけどね」


 ミゲルは苦笑いをしながらそう言った。ミゲル、アリアから見てもハルの力は底が見えなかった。まだ若いハルがあの境地に達するまでどれだけの努力をしてきたのかを感じるほどだった。


「確かにハルはかなりの技量だったな。魔力の操作はもちろんのこと、あの魔力量は目を見張るものがあった。俺たち亜人種にも引けを取らない多さだ」


 ハルが神級になったというのは本人の口から聞いたとき、二人とも心底驚いた。二人が目指し、それでも届かなかった境地にハルは達していたのだ。


「ハルももう一人前のハンターなのよね。もう一人立ちしてあれだけ強大な力を持った神獣種(しんじゅうしゅ)に見初められたということ自体驚きなのに。そこに私たちが親の顔でハルに向き合っていいのかも迷ったわ。でも一緒に来ないかと誘われたときにハルはそんな小さいことは気にしていないと思ったの。だからあの二人を目指して大森林に行く覚悟ができた」


 アリアは本当に悩んでいた。この幻想郷に人族が来たと聞いてどんな奴が来たのかとウキウキで見に行った。そこにいたのは自分の息子のハルだった。言葉を失ったというのはこういうことを言うんだなと思った瞬間だった。


「はっはっは!息子にけつを叩かれる親はどうかと思うけどな!それでも覚悟が決まったのなら気ぃ付けろとしか俺は言わん。そもそもここにいるのがイレギュラーってもんだ。ハンターは自由なんだろ?自由に生きな。ここのガキはさみしがると思うがお前らならいつ来ても大歓迎だ」


「はい。お世話になりました」


 ガリウスとの話を終え、二人はガリウスの家を後にした。そこに一人残ったガリウスは二人のことを考えて不安になる。


「アリアは平気だろう。でもミゲルはどうだ、片腕が無くなった、義手はつけているがあの状態になってから戦闘は経験していないはずだ。魔法を使う時に邪魔にならなきゃいいが」


 魔力を使用して動かす義手。これは私生活においてはかなり有用だろう。しかし、戦闘面では自分の魔法に干渉する可能性がある。そうなると満足に魔法を発動できずに失敗に終わる可能性が高かった。ミゲルが複数の魔法を同時に使うことができるのは知っているのでそれを久しぶりの戦闘でできれば問題ないと思いつつもガリウス自身が助け、ここで生活した同士なのだ。心配は尽きることがなかった。


 アリアはケンタウロスの娘クラーラとラミアの娘アーシャと話していた。


「えぇ~!二人とも外に行っちゃうの?」

「ずるい!私たちも行きたい~!」


 二人はアリアとミゲルの外の話が好きだった。そして二人が着た後に生まれた子供たちだ。二人のことをここの住人として接してきていたのだ。


「ごめんねぇ。でも二人も大きくなったら外の世界に行けるかもしれないんでしょ?外は怖いモンスターも人もいるからそういうのに負けないように強くならないと。そしたら長老もきっと許してくれるよ」


 二人は頬を膨らませているがそれで納得しているのか頷く。


「じゃあ強くなって絶対に会いに行くね!」

「それまでは死んじゃ嫌だよ!」


「大丈夫よ。そこらのハンターより強いんだからね。それにミゲルもいるわ。私とミゲルが二人そろえば最強なんだから!」


 亜人種の娘二人と話を終えたアリアは幻想郷の自分たちの家に戻る。そこにはミゲルが旅の準備を進めていた。


「あの子たちと話は終わったかい?」


「ええ。これで住人の人とは話は終わったわね。それじゃあ行きましょうか」


 二人は幻想郷にある自分たちの家を出て、息子であるハルが住んでいる大森林に向かうため出発した。




 大森林に帰ってきたハルとリルはそれぞれのことを始めた。リルはいつも通りマーブに魔法の指南をしている。そしてハルは言うとドーボンの家に来ていた。親であるアリアとミゲルが生きていたことの報告だった。その際、幻想郷のことをどう説明するかをリルに確認した結果、二人に言っても問題ないということだった。説明するには幻想郷のことを話すのが楽だろうとリルは言ってくれた。そして二人に大森林を出てからあったことを報告した。エミーは目に涙を浮かべていた。そしてドーボンはそうかと心底安心したような顔をしている。


「それじゃあその幻想郷っていうとこで生活していたんだな。生きててよかった」


「ああ。父さんは母さんを庇って右腕が無くなっていたけど魔力で動かす義手を使ってたよ。俺の前で強がっていたのかもしれないが魔力が不安定になってた。大分制御に苦労しているんだろう」


 ハルは魔力の揺らぎを確かに確認していた。しかし、それは人が普通に生活していたら気にならない魔力の揺らぎだ。でもこれが本当じゃないとハル直感で思った。自分の親であり、ハンターとしても幻級ハンターだったのだ。制御がまだまだ不安定なんだろうとあたりを付けていた。そう言うとエミーは驚いたようにハルを見る。


「確かにミゲルは魔力の制御が上手かったからそうだとは思うけど……よくわかったわね」


「確かに親の魔力を感じたことはないよ。でも幻級ハンターの魔力はかなり見てきた方だ。幻級くらいには見られない魔力の揺らぎだったから気付いただけだよ」


 ハルは今まで様々なハンターを見てきた。一人で階級を上げてきてはいるがそれでも何回かは他のハンターと話したり一緒に依頼をこなす機会もあったのだ。だからこそわかったのである。


「二人も準備しておいてくれ。父さんと母さんは多分ここに来ると思うんだ」


「ええ」

「おう」


 二人は短く返事したが声はかなり明るくなっていた。

読んでくださりありがとうございます!

評価やブックマーク、感想もお待ちしております。

そして誤字脱字の報告もありましたらお願いします!


今後も『伝説の狩人』をよろしくお願いします。

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