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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
亜人と幻想郷
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魔法の起源と人種

少し内容を訂正しました。

 魔法とは何か。それは魔力を用い、ある特定の現象を作り出すものだ。ではその魔力はなんなのか。魔力とは本来、モンスターが持っていた魔力核にという器官から生まれるエネルギーだ。そしてそれはモンスター特有の物であった。しかし、人族、エルフ族、ドワーフ族は魔法を使うことができる。本来はモンスターが持っていたそれをいつから人が使えるようになったのか。それを現在知る者は世界にほとんどいない。知っているのは神獣種と、そして人の文化圏にくることがない亜人種。




 現在、人族とドワーフ族、エルフ族、獣人族を含む古代人種と別れているが魔法を使えるようになったのはこれらの種族が出てくる前にまで遡る。元々この世界には人種という種がモンスターと戦いを繰り広げていた。そしてその人種は魔力を持っていないため魔法を使うことができなかった。それでも砦を作り、モンスターの脅威から人は抗い続けていた。

 その時、覇権を握っていた国が禁忌の実験をしたのだ。それがモンスターと人の交配実験である。当時、かなりの力を持っていたその国は奴隷も多く所有していった。それは他の国の戦争で手に入れた奴隷であったり、貧困な村や街へ赴き金の代わりに子供えを引き取って奴隷にしたりと様々だった。

 その奴隷と捕獲したモンスターを使って交配実験が行われた。モンスターの雌から産ませる方と人の女性から産ませる両方を試した。はじめは捕獲しやすい弱いモンスターを使っていたがうまくいかず強い個体を使っての実験が始まった。その時に、成功したのだ。なぜ成功したのか。その時の学者たちは考える。そしてそれが魔力に起因していると突き止めた。そしてこの実験が改めて成功していて、自分たちは次のステージに進めると確信していた。

 モンスターから生まれた個体はモンスターの性質に寄り、人から生まれた個体は人に近づく。この実験はかなりの量が行われそれが分かった。人にある程度寄った姿で生まれてくる個体のことを人々は亜人種と名付けその亜人種と人種を交配させるという実験も行われた。その実験の結果が現在の人族と古代人種たちである。それではその時のモンスターと人種はどうなったのか。モンスターはその時の人種が魔力を持った亜人種を使い乱獲し、実験に使われて絶滅に至った。それでもモンスターの交配は実験の一環として自然に生息するモンスターがいなくなっただけではあるが。

 そしてその実験を推し進めた人種はどうなったのか。それも亜人種たちによって破滅した。彼らは最初から人種に育てられたため、反抗をすることがなかったのだが、複数の亜人種の育ての親が愛情を注いで育ててしまったため、亜人種に魔力の存在を教え、抵抗のすべを教えた。そこからは一瞬であった。モンスターの素材を使って疑似的に魔法ような現象を起こす魔術を使っていた人種に対して亜人種は正真正銘の魔法だ。魔術は準備を必要とし、モンスターの魔力核も必要だ。それを必要としない亜人種たちの魔法は当時の人種にとっての衝撃であった。そして皮肉にもその実験を否定し、抗った者たちの子孫が魔力を手にしたのだった。




 ハルはリルからそのような話を聞いていた。なぜ今その話をしたのか。それをリルが説明し始める。


「私はこれからその亜人種が住む幻想郷に向かいます。彼らとは昔から懇意にしているので数年に一回行くようにしているんです。そこの結界も私が張り直していて今回もその予定です。火山の奥にあるので人族に見つかることはなでしょう。なのでハルにも付いてきてもらいます」


 そこには人族、エルフ族、ドワーフ族になれなかったものたちがいるらしい。ハルは見たことがないので計りかねていた。


「俺が行っても平気なのか?そもそもそこまで隠している意図はなんだ?」


「それが彼らの望みだからです。昔のような争いが起きないように、と」


 その時代を生きていた者たちはもちろんいない。それでもその幻想郷の言い伝えらしいのだ。それをリルは尊重していた。


「リル以外に知っているものはいるのか?」


「神獣種は知っていますよ。亜人種は人側から生まれた交配種であり、今のモンスターは原種のモンスター側から生まれた交配種です。起源は一緒なんです。だからこうして進化し、自我が芽生えると人と近い姿になるんですよ」


 リルは言いながら椅子から立ち上がりその場で回って見せた。ハルはそれを見て納得する。モンスターには魔力核が存在し、そこから魔力を生成する。しかし、人族にはそのような器官がない。それでも魔力を生み出し、扱うことができるのだ。それは今の学者がどれだけ研究しても見つけることができなかった問題でもあり、脳の一部に魔力を生み出す器官があるとされているが魔力核のようなものは未だ見つかっていない。亜人種には魔力核は存在しているのだがそれを知るすべも今の人族にはない。


「俺たちの起源、そしてモンスターの起源はわかった。それで今回、その幻想郷に向かうのは結界の張り直しだけか?それとも他の理由があるのか?」


 リルは椅子に座り直しハルを見つめる。そして口を開く。


「炎神龍バクリスクがどこから攻めてくるかを私たちはどのように推測していますか?」


「火山……か」


「そうです。狙いは多分私たち神獣種でしょう。だから後ろには目もくれないと思います。それでも場所が場所なので結界をしっかり組んでおきたいんです。私ががっちり組むとバクリスクの魔力感知に引っかかるかもしれないのでハルにその魔力を見てもらいたいんです。それで出来たのなら問題ないですがそれでも無理ならスクリスも呼んで本格的に隠蔽魔法をかけてもらいます」


 スクリスに来てもらうのが一番丸いのだがスクリスの領域である豪雨林は大陸の真反対であるため、いくら神獣種であろうと時間がかかる。いつ攻めてくるかわからない以上、近いリルが行くのが一番だと考えたのだ。仮にバレてもリルの結界を破ることはできないだろう。


「わかった。保険でスクリスがいるなら平気そうだな。いつから向かう?」


「色々準備もあるので数日は準備期間を設けようと思います。マーブやドーボン、エミーのも話さなければいけませんし」


「わかった」


 こうしてハルはリルとともに幻想郷なる場所に向かうことになった。

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