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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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大森林へ

 ハルは大森林に戻ってリルに今回会議であったことを話していた。リルはそれを聞き、ハルに話し始めた。


「だいたいの事情は把握しました。アランの周知の甘さですね。実際、アランも含めた会合は過去に何度も開かれていました。それをずっと出し渋っていたのはアランのミスです。それでもハルがお願いするなら私は協力を惜しみません」


 リルは大森林で行うことは問題と言質は取った。しかし、とリルは話を続ける。


「その新しく神級ハンターになった者は自分の実力を把握していないんですか?王獣種相手に勝ったとはいえ、マーブの回復魔法がなければその場で死んでいましたよ。それでその発言はなかなか肝が据わっていますね」


「まあ俺よりも若いんだ。それくらいは大目に見るよ。まあ大目に見れなかったやつが今回の提案をしたんだがな。そいつも神級ハンターの依頼の厳しさを知っているからこそのことだとは思うがな」


 ジットはハルの面倒を最初に見てくれた人物だ。そのころからハルの実力は抜きんでていたのだがそれでも丁寧に教えてくれた。その頃のハルは全て一人で解決してきていたので王獣種をパーティで討伐したことがなかった。今後それだと困るだろうとハルとパーティを組んでともに依頼をこなしてくれたのだ。その彼がここまでするのだ。なにか思うことがあったのだろう。


「とりあえず大森林、つまりここの訓練場の使用許可が欲しかっただけでまたすぐに戻らないといけない。フィスティリアまでは戻らずダリノクスの組合支部で待ち合わせてるからすぐ帰ってくると思うけど」


「わかりました。お帰りを待っています」


 こうしてハルは大森林を出てダリノクスのハンター組合支部に向けて出発した。




 フィスティリアを出た神級ハンターたちは乗り合いではなくそれぞれが自分勝手にダリノクスを目指した。マークはアランに言われパーティメンバーと行く。他は全員がソロで向かっている。ここがソロ指向の神級ハンターとパーティ指向の幻級ハンターの違いだろう。そしてダリノクスに続々と集まってくる。ダリノクスの職員たちは大慌てだ。普段来ないであろう神級ハンターたちが揃っているからだ。このような事態になって各組合の組合長は自分の支部に帰っていた。それがロッドも同じでありロッドがこの場を仕切っている。アランもいるのだがアランが指揮することはなかった。ロッドの統率力がしっかりと見えた瞬間だった。神級ハンターたちは会議室に集まっていた。そしてその会議室の扉が開かれハルが入ってくる。


「これから大森林に行く。そこで序列決めをするとアランが言っていた。大森林が俺の主、神狼リルの領域だ。何しても基本は怒らないが少しは考えて行動してくれると助かる。それじゃあ行くぞ」


 ハルは一方的にそう告げ、会議室を出る。そしてその後に元々神級に達していた者たちが続く。ワンテンポ遅れてマークと彼のパーティが続いた。最後に会議室を出たのはアランだ。


「さて、鬼が出るか蛇が出るか。今回の場合は出るのは狼かな」


 そのようなことをつぶやきながら神級たちの後ろについていった。


 道中、幸いモンスターともあまり遭遇することはなかった。元々しっかり作られている街道を進んでいるので出ないのだがたまに出てくることがあるのだ。なのでハンターの依頼に護衛もあったりする。今回はそのようなこともなく進んでいく。もう少し進めば大森林に一番近い街に行けるというところでハル森の方に舵を取った。大森林に入るには基本的に野営地があるところからしか入ってはいけないようになっている。これは依頼をしっかり受けてきているかを確認するためだ。今回、依頼はないのでそのまま大森林に突入する。マークたちは王獣種と遭遇して以来の大森林だ。マークのパーティメンバーは少し緊張しているようだがマークが声をかけて落ち着かせていた。ハルは身体強化を使わない程度の速さ大森林を踏破していく。他の神級もそれに着いていく。


「今回は一日で抜けるぞ。この人数で野営をするのは面倒くさい。着いたらリルがいるはずだ。それで明日序列決めをする」


 ハルは速度を落とすことなく言った。マークのパーティメンバーは着いていくので精一杯だという感じだがハルには関係ない。これで置いていかれるのなら連れてきたマークとアランの責任だと思っている。


「粗相のないようにね。人の姿をしているからこの表現が合っているかはわからないけどこの世界の頂点捕食者だから」


 アランが注意を促す。それを聞き、神級ハンターたちは少し頬を緩ませる。もしかすると手合わせができるかもしれないと思っているのだ。しかしマーブは普段から訓練を一緒にしているためそれが誇張表現ではないとわかっている。周りの景色が次第に変わっていく。周りの木々の幹が太く、そして背が高くなっていく。これが遠くから見ると山にすら見える大森林の環境だ。光が差し込むことはなく、ずっと薄暗い。モンスターが時折現れるがマーブが魔法で全てを叩き潰す。移動しながらの対処は魔法が一番いいのだ。ハルは事前にマーブにお願いしていた。モンスターの魔力核を回収することはできないが今回はそれでいいとアランからも許可をもらっていた。あとでハルが回収するのとその魔力核を組合に下ろすというのが条件だが。そして目的地が見えた。一本の大きな木が家のようになっている。その周りの木も普段見る気とは一線を画す大きさだが中心と思われるところに生えている木は格が違った。そしてその木の前、扉の前に白く長い髪を持つ少女、リルが待っていた。ハルを確認すると微笑み、出迎える。その後に後ろにいるハンターたちを見る。


「ようこそ大森林んへ。この森の主と言われている神獣種のリルです。よろしくお願いします」


 こうして神級ハンターの全員が神獣種に出会った。

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