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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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会議後

 会議が終わりアランがハルに話しかけてきた。


「さっきはすまなかったね。まさかあそこまで過剰反応するとは思わなかった」


「平気だ。かなり正義感の高い男のようだな。それはそれでハンターとしての資質だ。俺は気にしていない」


「そう言ってくれると助かるよ。それで、君に一つ、お願いをしたいんだ」


 大森林の使用に際して色々詰めたいようだった。


「大森林の外縁は若いハンターたちが今も多いからそこでするのはよくないと思っている。だから君たちが住んでいる最奥の場所を使いたいと思ってね。マーブと神狼さまが摸擬戦をしているくらいだ。それで外への影響はないしどうだろう」


「俺もやるならそこだと思っているからそこも含めてリルに聞いておこう。しかし、ここからは少し遠いぞ。それが聞いて帰ってくるまで待ってるのか?」


 ここはダリノクスではなくフィスティリアであり、ダリノクスの中にある大森林には相当距離がある。そこもアランは考えているようだった。


「神級ハンターを連れてダリノクスの組合支部に移動する。そこで君の帰りを待つよ。最悪だめでもダリノクスなら訓練場がある。神級レベルの摸擬戦になるとどうせ壊れてしまうけど仕方ない。最善は大森林だけどこれが次善策だ」


「わかった。明日の会議はどうする?すると言っていたと思うが」


「あれは今日終わるために言っただけだから明日から移動を開始するよ。こういうのは早めに終わらせた方がいいからね」


 炎神龍が攻めてくるかもしれないという状況で内部のいざこざは本当によくない。アランはその状況をいち早く終わりにしたいようだ。


「ここでリルが断ると今後マークの神獣種の印象が悪くなると思うから俺がそこは説得しよう。神獣種は人に縛られない。それでも人族の俺を眷属にしたんだ。これくらいは通すよ」


「そう言ってくれると助かるよ」


「それじゃあ俺はもう出るぞ。アランたちがダリノクスの支部に着くころにはもう結果は出ていると思う」


 そういい、ハルはハンター組合本部を出た。ヴィノとジットにはこのことを話し、出てきた。ヴィノとジットはことを大きくしてすまないと言っていたがハルも新しい神級が出てくれば人となりを知らないのでこういうことが起きると予想していたので早かれ遅かれ起きていたと二人に言った。ハルは一人で大森林を目指してフィスティリアを出た。




 アランのところにロドルが来た。要件は海神龍オシーアの件だ。顔合わせの後に話はしていた。しかし、このような状況になったので確認のために来たのだ。


「会長、俺の眷属の件はどうしたらいい。俺は自分が強くなるのならなりたいんだが」


「そうだねぇ。顔合わせの後にも言ったように今後の人生に関わるからロドル君の選びたい方を選べばいいと今でも思っているよ。そもそも神級で今までやってきた君たちはマーク君には負けないでしょ」


「正直、実力差は顕著だな。戦闘能力で一番低いのがアリエスだったが眷属になってだいぶ変わったみたいだ。それでも他のものの戦闘力の方が高いと俺は見ている。そのレベルに彼は達していない。アリエスにも勝てるか怪しいぞ」


 そう、アリエスが眷属になり魔力量、魔法操作、身体能力が軒並み上がっている。それでも他の前衛職には勝てないだろう。それほど神級ハンターたちは強いのだ。ジットなどはもう既に神獣種の誰かの眷属だと言われても信じるほどの強さを持っている。


「そうだよねぇ。まあジット君がマーク君のいい薬になると思っているよ。それに今回はマーク君のパーティメンバーも連れていくつもりだ。彼らもこれから依頼をこなしていけば神級になる。今のうちに知っておいた方がいいと思ってね」


「なるほど。それで、眷属に関しては本当に俺の裁量でいいんだな?」


「いいよ。でも今回の序列決めが終わってからにしてくれるかい?明日にはダリノクスに行きたいんだ。こういうのは早く終わらせるのが吉だからね」


「ああ。オシーアには少し待たせると言ってあるからな。問題ない」


 ロドルはそういうとアランの元を後にした。アランはロドルを見送るとそのまま自分の執務室に行く。アランは自由に動いているがそれでも会長だ。日々仕事は溜まっていく。今回もかなり溜まっているがその溜まった書類を見ながら今後について考える。


「この書類もやらなきゃだけど今回は流石に神級ハンターたちが優先だなぁ。まさかあれほど噛みついてくるとは思っていなかった。僕の人を見る目も衰えてきたかな。それでも今回でハンターの在り方が変わる。この変化をいいものにしないとなぁ」


 今回のこの一件でハンターという職業の階級の仕組みが大きく変わることになる。そして今までは幻級を目指していた者、そして幻級の者は神級を目指すだろう。勝手な判断で王獣種を狩る者も現れるだろう。すべてを制限することはできないがその辺りもしっかり制限していきたいとアランは考えている。アランは命に敏感だ。それは過去の大戦の経験も関係しているだろう。


「マーク君には悪いけど、今回は自身の弱さを自覚してもらおう。そしてさらなる強さを求めてほしいな。そうならなければ――――」


 そうつぶやいて、明日の準備と神級ハンターたちへの伝令を職員に伝えたのだった。

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