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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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波乱の幕開け

 アランが戦闘に参加すると表明して神級ハンターたちは様々な反応を示した。普段、アランは戦闘に関してノータッチなのでほとんどの者はアランの戦闘を見たことがない。それはハルも同じであり、神級ハンターと同じ実力があるという噂ではあるのだがそれを知っているのは古き時代から生きている古代人種、そして神獣種しかいないだろう。


「僕の参加はまあいいとしてもうひとつの理由だ。この大陸に多くの国ができた。昔はここまで国がなく、人族が住んでいる地域も狭かった。だからこそ神獣種同士が戦っても問題なかったんだ。でも今、神獣種同士で戦うと今回攻めてくるであろう火山の近くにあるマグノリアに甚大な被害が出てしまう。だから君たち神級ハンターに白羽の矢が立ったんだ」


 なぜ神獣種ではなく、神級ハンターが戦闘するのかという理由がアランから言われた。そして炎神龍は眷属魔法を多く使い、眷属を増やしているだろうという予想もされているのでそこはオシーアに頼むことになりそうだ。炎神龍は地下空間を通ってドーバレイス大陸に来るがガノリア大陸にはそこまで強いモンスターがいないため高温の地下を通るには耐えれないという。なので神海を通ってくるのだ。


「これで大体の概要は話した。ここには神獣種の眷属になったハンターが二人いる。彼らにも話を聞きたいと思っている。ハル君、アリエス君。頼んだよ」


 ここでリルの眷属であるハルと、スクリスの眷属であるアリエスがアランに藩士を振られる。ハルはだるそうにしながらも口を開いた。


「狼系モンスターの神獣種である神狼リルの眷属になったハルだ。眷属になったときに変わったことがいくつかある。リルの魔法特性の継承と体の変化だ。魔法特性の継承は魔力自体が主の魔力に近くなる。俺も近くなったが元々全属性の魔法は使えていたからこれに関してはあまり実感がない」


 話しながらハルはかぶっていたフードを取り、頭に生えている狼の耳を見せる。


「そしてこれが体の変化だ。この通り俺はもう人族ではなくなった。眷属魔法は元々古代人種、そして王獣種用の魔法だったらしく、人族には合わないとのことだった。それもある程度の魔力に対して耐性があれば平気のようだがな。体は丈夫になったがそれに関してもあまり実感はない。しかし、魔力量の増加、あとは魔法の発動速度は上がったな。これは実感できた」


 ハルは自分が眷属になって感じたことをここで話した。そして続いてアリエスの番になる。


「私は神蛇スクリスの眷属になったわ。私はこの目ね」


 ハルも大して気にしていなかったので気付いていなかったがアリエスの目が蛇の目になっていた。


「この目は温度を見ることができるの。だから森に潜んでいたりしても見れるわ。そして魔力量や魔法特性に関して私はかなり実感したわね。元々神級ハンターの中で強いわけじゃなかったからだいぶ実感したわね」


 こうして二人による眷属になったことで感じたことを話した。ここでアランに戻る。


「神獣種のことについて聞きたかったらこの二人の方が詳しいと思うから来てみてくれ」


「つまり、この二人は人側ではなくモンスター側になったということだろう?」


 そこでマークが口を出した。


「神獣種がこの環境を保っているのはわかった。でもこれはどうなんだ?神級ハンターがモンスターの眷属になるなんてことあっていいのか?」


 アランの話を聞いてマークは神獣種との話し合いは納得した。しかし、自分の味方に神獣種の眷属がいるのはまた話が違ったらしい。アランがマークの言い分に答えようとしたところ他の者が先に口を出した。


「お前には関係ない。ついさっき神級になったばかりの若造に言われる筋合いはないぞ。ハルやアリエスとの付き合いは俺たちの方が長い。いちいち噛みつくな」


 そう言い放ったのはヴィノであった。ヴィノはアリエスとそこまで親しい仲ではないが神級としての付き合いは長い。そしてハルとはハルが幻級であったころから知っているのだ。


「いや!しかし」


「少し黙っていなさい」


 マークが言い返そうとしたがそこにジットも口を出した。ジットは己の強さを常に追い求めているため他人にはあまり関心がないのだが実は面倒見もよかったりする。ハルが神級になったばかりのころにはヴィノと共のハルに教えたりしていた。そのジットがそう口を出したがマークは止まらない。


「いや、話します。ここでは一番の新人ですが俺も神級ハンターになったんだ。実力差がどれだけあるかもわからないのに」


 その言葉には全ての神級ハンターが反応した。アランは止めることはもうできないと匙を投げた。


「ほう。実力差について疑問があるようだな。どれ、俺が相手をしてやろうか」


 ヴィノはその席を立ちながらそう言った。そこに待ったをかけた者がいる。それがジットだ。


「ヴィノ。俺が相手をしよう。お前はドワーフだ。種族の差を言い訳にされたくない」


「言い訳なんてしない!」


 マークはすぐに言い返すがそれにジットが返すことはなく、アランに話を振る。


「ボス、どこか一つ訓練場を貸してほしい。そこで決めたい」


「ごめんね、今訓練場を使うことができないんだ。改修中でね」


 アランはそう言いながらハルに目を向ける。ハルはそれに気づくと嫌な顔をする。アランがこういう時に誰かを見るときは必ず変な提案があるときだ。


「ハル君。大森林で神級ハンターの摸擬戦をさせてもらいたい。ついでに神狼さまにも顔見せしておきたい。神獣種がどういう者かを見させてほしい」


「俺は構わないがリルに聞いてみないとわからないぞ。聞くだけは聞いてやるよ」


 ハルからそのような答えを聞き、アランは安堵した。そして一触即発の雰囲気の二人にアランが声をかける。


「二人とも。序列決めのための場所をこれから決めるから今は矛を収めておいてくれ。会議も今日はこれで終わりにしよう。言いたいことは言えたし」


 アランはこうしてこのような状況をバッサリと切って今日の会議を終わらせた。

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