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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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海神龍オシーアとロドル

 ロドルはジャーシャの背中に乗り海を進んでいた。そして小さな孤島が見えてくる。


「見えてきたぞ。あれが我が主が住んでいる孤島である」


 ロドルは大きいとは言えない孤島を見やる。浜には老人が立っているのが見えた。


「ジャーシャよ。彼が王獣種(おうじゅうしゅ)と戦っていた男か?」


「はっ!そうでございます」


 オシーアはロドルを見る。そして彼の戦闘能力を把握していく。ハルは眷属になっていたため力の底を見抜くことができずにいたがロドルに関しては平気だったようだ。ロドルは神獣種に恐れることなく口を開いた。


「私はロドルと申すもの。あなたの領域で狩りをしたのだがそれは問題なかったか?」


「問題ないわい。弱き者は強き者に淘汰される。それが自然の理じゃ。わしは何も気にしていない。怒ってここに呼び出したわけでもないしの」


「では、なぜここに?」


 そうなるとロドルは自分がここに呼ばれた理由がわからなかった。それをオシーアは説明し始める。


「わしの眷属は王獣種をわしの魔法で進化させることで眷属にしてきた。毎回、わしの眷属に戦わせて眷属にするかどうか決めておる。今回もその予定であったのじゃがおぬしがいたことでそれができなくなってしもうた」


「仲間を増やす機会を無くしてしまったというわけか。それは申し訳ないことをした。しかし、私をここに連れてきたジャーシャというものには到底勝てないと思うのだが」


「そもそも勝ち負けは考えておらん。強いに越したことはないが王獣種の時点で強いことは明白だからの。強い相手にも臆せず戦えることが重要なんじゃ。逃げれば倒して終わり。逃げずに戦いにくれば及第点。そしていい勝負をすれば大手を振って仲間に誘い入れると言った感じじゃな。おぬしはわしらの品定めの前に狩ってしまったということじゃ」


 仲間を増やす目的というより増える可能性があったということらしい。その眼をロドルが摘んでしまったということらしい。


「それで、俺がここに呼ばれた理由はなんだ?それではここに呼ばれた意味がないのだが」


「最近、神獣種の同胞が人族を眷属として迎え入れての。わしも少し興味があるのじゃ。どうじゃ、眷属になってみないかの?」


 ロドルは初めて神獣種に会った。そして急にこの話をされて困惑している。


「人族で眷属になった者の名前を教えてもらえるか?今の情報だけでは整理が出来ん」


神狼(しんろう)リルの元にはハルという男が眷属になっておる。そして神蛇(しんだ)スクリスのところはアリエスという女じゃな」


 ロドルは両者とも知り合いであった。


「ハルとアリエスか。二人とも俺と同じ神級ハンターだな。それについても知っているのか?」


「おぬしも神級であったか。それについても知っておる。そもそも神獣種(われら)の領域に被らないように時ハンター組合を形成したのはアランじゃしの。我々の会合にもアランは参加しておるぞ」


 会長の名前まで出てきたとなると本当のようだとロドルは理解し、話を続ける。


「眷属になってからの条件は?そもそも今決めることはできないと思うが」


「わしも急いでおらん。頭の隅に置いておいてくれればよい。条件についてじゃがそれについてもあまりないんじゃ。神級であれば炎神龍(えんじんりゅう)バクリスクの復活の件はアランから聞いておるかの。神獣種である我々はその戦いに参加はできないのじゃ。人族の国への被害が大きいからの。だから神級ハンターに任せるという話になったのじゃ。わしの領域は海であり、眷属たちは地上での戦いが上手くない。だからと言って誰も出さないわけにはいかなくての。わしの眷属としてその戦いに向かってくれるかの。もちろん、今よりも強くなることは約束しよう」


 今よりも強くなる。その言葉にロドルは惹かれる。ロドルは自身のレベルアップを常に考えている。そのためには武器を選ばない。そういう戦い方をしているのだ。眷属になるのもその一つかと思った。


「なるほど。それ以外の制約はないという認識でいいのだな?」


「大まかなところは、じゃが。年に数回あるわしらの会議に出てくれれば問題ないわい。今と変わるのはその会議への参加とおぬしの魔法系統が水に寄るくらいかの」


「ふむ。今返事することはできないが返答には来よう。今日王獣種と戦闘していた場所までくればいいか?」


「それでよい。アランが会議でも開くんじゃろ。それに行ってからで構わん」


 神獣種が神級ハンターの会議のことを知っていることに驚いたがアランと関わりがあれば知っていても不思議じゃないかと納得する。


「それではその会議が終わったらもう一度来よう。その時にまた詳しく教えてくれると助かる」


「あいわかった。ジャーシャよ。彼を陸まで運んでやるんじゃ」


「はっ!了解しました!」


 こうしてロドルを陸まで運ぶために背に乗せ、海を泳ぎだした。


「なかなか豪胆な男よ。我が主を前に一歩も引かぬとは。恐れ入った」


「俺は神獣種の戦いを見たことがないからな。伝説上のモンスターと話しているというのが未だに信じられないだけだ」


 モンスターにとっては嫌でも感じる格の違い。それをこのハンターはあまり感じていないのかとジャーシャは驚いている。しかし、ロドルの知る最強はハルであり、ハルならばあるいはということも考えてしまうのだ。その彼が神狼の眷属になったと言っていた。ロドルはハルに会いたくなっていた。そして強さの変化をみて自分も眷属になるかどうかを決めようと考えた。程なくして陸に着き、ジャーシャと別れる。


「会議が終わったらここに来る。その時はまた頼む」


「ああ。私も貴殿がまたここにきて仲間になることを祈っておる。それではな」


 こうしてジャーシャはあの孤島に戻っていた。ロドルはこれからハンター組合に向けて出発する。そしてアランに勧誘されたということを報告しようと考えていた。なるかならないかはハルとアリエスを見て決めようと考えながらシーノスにとってある宿に戻った。

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