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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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新たな武器

 マーブとリルが会話に参加してきてヴィノの武器を評価していた。


「それすごい重そう。魔力の感じがかなり異質ね」


 マーブは魔力を見ることができるため一発で理解した。しかし、このような魔力を見たことがないためどのような性質なのかまではわからなかった。


「実際重いぞ。それに魔力を通すことで重さを変えることができるハンマーだ」


 ハルがマーブに説明する。それを聞いてマーブは納得した。そのような魔法は今まで見たことも聞いたこともないのだ。


「そんな魔法あるのね。見た感じ土属性みたいだけどかなり異質だからわからなかったわ」


「ハルの銃?っていう武器みたいね」


 そこにリルはそのような発言をした。それにヴィノは反応する。


「狙撃銃はカスタムしているのか?過去のは見たことがあるが」


「ああ。遠視の魔石のを変えたり、魔力弾とかも結構変えたぞ」


 そういいながらハルはマジックリュックを開き、狙撃銃の入ったケースを取る。そしてそのケースを開き、ヴィノに見せる。組み立てずにヴィノは構造を理解する。流石ドーボンと構想を練った人物である。


「この遠視の魔石、見たことない付与だがエミーのオリジナルか?」


「そうよー」


 そう聞かれ、エミーが答える。エミーが一から作り上げた、付与魔法だ。遠視の魔石の付与は元々ハル専門のようなものなのでハルでしか試すことができない。なかなか難しい調整を乗り越えて最初の遠視付与魔法が完成した。そこから改良を重ね、魔力を込める量によって距離の調節を可能にしたのだ。


「これが便利なんだよな。魔力の量を変えることで距離を変えられる。かなり重宝してるよ」


「なるほど。それはハルの戦い方に合ってるな」


 最近のハルは近接メインで戦うことが多かったが元は遠距離での戦闘を得意としている。その戦闘を見たことがないものはこの中ではマーブしかいない。


「ハルって遠距離がメインなの?初耳なんだけど」


「そうだよ。マーブと一緒に戦う時はマーブが遠距離を全て担ってくれるからな。俺は近接職を支援している」


「そうだったんだね。その遠視の魔石の魔力もかなり異質な魔力ね。エミーさんの魔法付与に私も興味が出てきたわ。私の杖も新調しようかしらね」


 マーブはずっと同じ杖を使っている。性能がかなりいいものを使っているので変える必要が今までなかったのだ。最近、リルと訓練していて自分の弱点が見えてきたのでそれを解決するために自分の武器を見直していたのだ。


「マーブさんくらいの魔力量だと付与もかなり気を使わないといけないから大変よね。ハル君もかなり気を使うけどそれ以上に気を使いそうね」


 ハルもマーブも魔力操作は上手いのでそこまで神経質にしなくても本当はいいのだがエミーは使用者が気を遣う付与は付与ではないといい、そこは手を抜かない。なので一個作るのにかなりの時間を要する。


「作るのは構わないけど時間は貰うわよ?あと、素材も提供してね」


「素材はこれでいいかしら?」


 マーブはマジックバックを開いてブラックメタルを取り出した。それをエミーに手渡す。そこにリルがついでとばかりにあるものを渡す。


「私の魔法の弟子なのでこれも使ってください」


 リルが取り出したのはなんと世界樹の木材だった。これはユグノリアでハルとリルがバンゴスタに言ってもらったものだった。それを目にしたリルとハル以外の者は目を見開く。


「これほどの魔力内包した木材なんて見たことがないわ。これは何の木?」


「これは世界樹の木材です。ユグノリアに行ったときに空神龍バンゴスタに貰ったんです。この素材でマジックボックスを作れるんですがそれの容量が段違いなんですよ。かなり大きな質量まで入れることができるのでこの家の収納にでも使おうと思ってもらったんです。それがこんなところで使えるとは思いませんでした」


 基本的に杖は魔力の通りやすい素材に魔力を効率よく魔法に変換する魔石や鉱石を付けることで完成する。マーブが出したブラックメタルはハルやリルの刀にも使われているように固く、そして魔法に馴染みやすい。苦手な魔法、または特異な魔法をもっと強力にするためにはその属性に合った魔石や鉱石を使用する。魔力を通すという一点では世界樹に並ぶ素材は存在しない。しかし、ユグノリアで使われている方法のように空間魔法を付与することで収納にするのが一般的な使い方だ。今回の使い方は付与を何もせずに杖にするということだ。ユグノリアに住んでいる者以外では杖にすることはしない。それほど希少なのだ。


「世界樹を杖に!?いいんですか?」


「いいよ。あなたは私の弟子なんだからね」


「これはかなりすごいものを作れそうね」


 エミーは気合を入れて杖の作製に踏み切った。このやり取りをヴィノとドーボンは口を開けて見ていた。


「おいドーボン。初めて世界樹の素材なんて見たぞ」


「俺もだ。かなり上質な素材だな。俺は魔法に長けていないがそれでもわかる程度にはすごいぞ」


 二人は世界樹に目を向けてそのような会話をしている。それをハルは見ながら笑っている。ハルもこの素材を見たときは驚いたものだ。


「元々ドーボンとエミーさんには言おうと思っていたんだ。これで収納を作る予定だったからな。まだ大量にもらってきたからエミーさんの杖作製が終わったら付与をしてもらおう。俺に付与の知識はないからな」


 ハルは出した狙撃銃を組み立てて少し狩りに行ってくるといい、席を立った。そこにヴィノも行くことになり二人は狩りに出かけた。ハルとヴィノが帰ってくるまで、女性組は杖の構想を練っていたのだった。

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