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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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旧友の再会

 ハルがヴィノを連れて家に着いた。リルとマーブは未だ修行をしている。そこに三人目の神級ハンターであるヴィノも来た。


「ん?マーブもいるのか」


「ああ、神狼の手ほどきを受けているんだ。彼女の眼は特殊らしくてな。それをうまく扱えるようにというのと単純に魔法の練度向上のためにな」


「なるほど」


 訓練の様子を見せながらハルが今住んでいるところを案内していく。そしてドーボンとエミーの自宅に着いた。そうすると、中から音を立てながら勢いよく扉が開かれた。


「よぉ!ヴィノ!久しぶりじゃあねぇか!」


「ああ。久しぶりだな」


 ヴィノの魔力を感じ取ったのかドーボンが扉を開いていた。そしてすぐにヴィノが持っているハンマーを見る。


「初めて見る素材だな。王獣種の物か?」


「ああ。土魔法を使う王獣種の魔力核を使っている」


 ドーボンはそのハンマーを凝視している、そしてその性質を見破る。


「重さを自由に変えれるハンマーって言ったところか。これを使うのは相当骨が折れそうだな」


「これは驚いたな。すぐにわかるのか。流石本職が鍛冶師のやつは違うな」


 ドーボンは自慢げに胸を張る。鍛冶としての腕はドーボンの方が上だ。しかし、それは自分以外に作るという点においてである。ヴィノは自分のために武器を作る。自分の武器の扱い方を熟知しているので自分で作るもの以上に使いやすいものはないのだろう。そしてヴィノはハンターが本職であり、強さはヴィノの方が勝っている。鍛冶師として大成しているのはドーボンだがハンターとして大成したのはヴィノなのであった。


「多分俺以外には扱えない。そういう武器をコンセプトに作った。こうすれば盗まれることもないしな」


「そもそも盗まれるほどやわじゃないだろう」


 ハルは突っ込む。ヴィノから何か盗めるものなど実力的にこの世界で数人だろう。そしてその数人は全員神級ハンターだ。そこを考える必要はないのではと思った。


「それもそうだが神級は基本ソロだ。パーティを組んでいれば汎用性がある武器の方がいいのは確かだろう。でも俺は自分のために武器を製作した。それがこれだ」


 重さの変わる特殊な魔法が仕込まれている武器。そしてその魔法は特定の魔力に反応する。この時点で使える者は限られる。ハルにも魔力を似せることはできても同じにはできない。できるとすればマーブだが彼女がこのハンマーを使っても強みは出ないだろう。しっかりとした重さがあることで真価が発揮される武器なのだ。


「インパクトの瞬間に一気に重くするのか?」


「ああ。それが一番効果的な使い方だな。普段は軽くしているがそれも軽くできる限度を作ってある。重くする魔法を使わなくても一般人には持てないようにな」


 ヴィノはそう言いながらハルに自分のハンマーを渡してきた。ヴィノは片手で渡してきているので重さを見ているだけではそんなに感じない。ハルはヴィノのハンマーに触れたときにそれは違うと判断した。いや、判断したというよりわからされたと言うべきかもしれない。ハルは全力で肉体強化魔法を使用した。そしてそのハンマーを両手で持つ。これでもギリギリ持っていられるくらいの重さだった。


「これを振り回すのか。やっぱりヴィノの力は次元が違うな。俺が肉体強化して持っているものを強化無しで持ってるんだもんな」


「まあな。これだけが自慢だ」


「ちょっと~?家に前で話してないで入ってくれば?」


 家の中からエミーがそういうので三人はドーボンの家に入る。テーブルにはすでに紅茶が入れられており、一つの椅子にエミーが座っていた。


「ヴィノさん、お久しぶりですね」


「ああ」


「それにしてもその武器の付与魔法を見せてほしいんですけどいいですか?」


 エミーはこのハンマーに組み込まれた付与魔法に興味があるようだった。エミーは魔法師の中で特に付与が得意である。その付与魔法師であるエミーですら見たことがない魔法が付与されていたのだ。


「ああ。この武器のために俺が作った魔法だ」


 魔力は魔力核から流用しているが魔法は自分で作らなくてはいけないのだ。それをヴィノはして見せた。これが自分の武器の完成形だと思えるほどの出来であった。


「付与魔法も使えるようになったのか。魔法に関しちゃ俺より上だなぁ」


 ドーボンは魔法の使い方が上手くない。眷属になってから上達はしたがそれでもまだ苦手意識があるのかうまく扱うことができていなかった。エミーとリルが教えているのでだんだん上達はしているのでいずれは自分の武器の付与に関しては自分でできるようになるだろう。外付けの部品に関してはエミーがすることになりそうだが。


「この付与はこうなっているんですね。なるほど。ここはこうした方が効率がいいかもしれません」


「そうすればよかったのか。そこはかなり悩んだんだがな。やっぱり本職には勝てないか」


「付与魔法師でないのにこれだけ出来れば十分ですけどね。私がいじりましょうか?」


「いや、俺がやる。少し教えてくれ」


「はい」


 エミーの意見を聞きながら付与をし直していく。魔力伝達の部分が解消され通りがよくなった。そして使用魔力量も減らすことにエミーは成功させて見せた。これにはヴィノも唸った。


「面白いことしてるわね」


 そう声をかけてきたのは訓練が終わったマーブとリルだった。

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