新たなる大獣種との遭遇
野営地で他のハンターと話した翌日。まだ準備をしているハンターを横目にハルは野営地を出発した。野営地を出た後しばらくファピングやウルグリンなどの獣種を狩りながら着実に進んでいった。ファピングをウルグリンは捕食するのが通常なのだがウルグリンの死骸がちょくちょく見られるようになってきた。つまり、ウルグリンよりも強いモンスターがいるという証明である。しかもファピングが死骸がほとんど見られない。ハルはウルグリンを殺したモンスターがファキングであると予想している。まだこのあたりに王獣種はいない。王獣種の気配は他のモンスターとは比較にならない。1級以下のハンターたちは蛇に睨まれた蛙のように動けなくなるだろう。そのくらいの威圧感を放っている。
「これはファキングかな。土魔法系統か」
ウルグリンが地面から尖った岩のようなものに突き刺さっている。強く打ち付けた痕もあるので突進された後にとどめで突き刺されたようだった。魔法でウルグリンを仕留めるのは大獣種程度の魔法では動きが早いのでなかなか難しい。しかし、大獣種であるので本体性能は格が違うため突進して魔法で仕留めることにしたのだろう。
大きな足音が聞こえてくる。野生で育っているモンスターであるため大きさにしては小さいがそれでもしっかり聞き取れるくらいの大きさである。そして木の陰から大きな猪系のモンスターであるファキングが現れた。
「こいつがここら辺を荒らしてたファキングか。まあ事前に魔法系統がわかってるだけ面倒も少ないからいいか」
ファキングがすぐさま突進し、ハルの後ろに土のとげを生み出し退路を塞ぐ。
「後ろの退路を塞ぐだけなのか。横がノーマークなのは知能が低いな」
そういいながらハルは横に跳んで避ける。そのまま切絶を抜き、ファキングの側面を切る。土魔法で胴体に石のような鎧をまとっているため体に届かなかった。
「やっぱり硬いな。魔力の出力をもう少し上げるか」
またファキングが突進してくるが今度が体の側面ではなく足を切り払う。魔力を込めて前足を切り落とした。かなりの速度で突進してきたためファキングはバランスを崩しそのまま転倒した。そして転倒したファキングの横から切絶を振り落として首を切り落とした。
動かなくなったファキングから魔力核をはぎ取る。その後に血を抜き本体を解体して食料を確保していく。骨や毛皮などは1級以下のハンターたちの武器や防具に用いられるのだがハルにとっては要らないものなのでその場に放置である。骨などは土に還り土壌をよくするといわれているので問題ない。
解体も終わりハルはさらに奥地に進んでいく。モンスターとの遭遇が予想よりも多かったため次の野営地には着かないだろうと考えたハルは少し進んで野営地の設営を開始した。モンスター除けの魔石を使用しモンスターが来ないようにする。野営地にはモンスター除けの魔石が地中に埋まっている。これは地面の中にある魔力を集め常時発動するようにできているので平気なのだが持ち運びのものは事前に魔力を充填しておいて使うので森を移動しているときに使うと魔力が枯渇してしまうためここぞの時にしか使うことができない。あとはこの魔石を使うことでセーフティポイントとして機能するので腕のいいハンターも夜などの疲れを癒したい時などに使う。モンスターに視認されているときに使ってしまうとそのモンスターには使えなくなってしまうのであたりを確認してモンスターの気配がないときに使うのが基本である。
「明日からは大獣種との遭遇が増えるだろうから料理もなかなかできないだろうな。ここらへんで保存食も作っとくか」
ハルは料理に取り掛かる。今回はファキングの肉を焼くことにした。今回は料理というのか微妙なところではあるが簡単に作れるので野営ではよくする料理であった。焼いている間に保存食の準備もしていく。焼き終わるころには保存食の準備も終わり焼いた肉を食べ始めた。噛むと肉汁があふれ出す。ファキングの肉は高級食材として扱われるほど美味なのである。その肉を楽しんで睡眠をとる。次の日になれば保存食もできていることだろうと思いながらハルは明日の予定を考えながら眠りに落ちた。




