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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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神級ハンターとは

 アランから突然神級ハンターへの昇格の打診がされ、マークは固まってしまった。そもそも神級ハンターは存在自体が秘匿されていて一般ハンターの中では噂程度でしか耳にしない。


「すみません、神級ハンターとはどういうものなんでしょうか。風の噂程度でしか聞いたことがないんですけど」


 アランはハッとして説明を始めた。


「神級ハンターっていうのは名誉階級みたいなものだよ。基準はさまざまだけど今回、マーク君が単独で討伐した王獣種、これが基準の一つなんだ。”王獣種を単独討伐すること”が一番簡単でわかりやすいものだね。これを秘匿しているのはハンターの数が減少しかねないからだ。実力もないのに王獣種に単独で挑むのは無謀だからね。だから偶然でもそのチャンスが来てそれをつかみ取った者が神級ハンターへなることができるんだ」


 アランは神級ハンターについて説明をし始めた。これは基準の一つでしかないがどれか一つでも超えていれば神級ハンターになることができる。


「神級ハンターになれば依頼が組合経由の物でなく組合が依頼した内容を受けてもらうことになる。もちろん、断ることも可能だ。そして今まで組んでいたパーティを解散する必要もない。個人で神級ハンターを選定しているのはこれが名誉階級だからでそこに深い意味はないから安心してね」


 マークは強くなるために今まで生きてきた。大獣種程度なら攻撃を受けずに倒すこともできる。そして今回王獣種討伐という幻級パーティ複数で普通は行うものを一人でこなした。これはマークにとって大きな自信に繋がった。それでもケガをしマーブがいなければ死んでいただろう。そのことを考えるとこの階級は自分には重いのではないかとも考えてしまう。


「今すぐに決めてってわけじゃないし、難しく考える必要もないよ。パーティは組んだままでいいんだし、気軽に判断してくれていいよ」


 アランは炎神龍の復活を聞いてハンターたちの成長も視野に入れていた。そこに王獣種単独討伐者だ。どうしても手放したくはない。なのでなるべく好条件で迎える準備をいついかなる時もしてきた。それが今来ただけのことなのだ。


「少し情報が多すぎるので後日返事をさせてください」


「いいよ。ゆっくり考えてくれていいからね」


「では私はこの辺で失礼します」


 マークはそう言って退室していった。アランは少し考えているようだ。それをロッドは静かに見ていたのだがマーブが口を開く。


「なんか悩む要素あった?私ならすぐに返事するけど」


 アランはマーブの方を見て、困り顔を見せる。


「それは君だからだよ。今の神級は君みたいな子が多いけど普通の子はこうやって悩むと思うよ。そもそも個人のみが事実上の昇級だ。しかも彼はパーティリーダーのようだし悩んで当然だよ。今の神級はソロで行動するやつがほとんどだしね」


「失礼ね、私はパーティ結構組んでるわよ」


 マーブは神級には珍しいタイプでパーティをよく組む。しかし、それは自分の目指す場所に最短で行くにはと考えた結果であり、この仲間と上を目指そうという気持ちは一切ない。それを普通だと思っている節すらある。そもそも魔法師である彼女はパーティの方が立ち回りが楽なのだ。だからパーティを組んでいる。


「君は固定で組んでいるわけじゃないだろう。そもそもパーティは固定して依頼を遂行するのが普通なんだよ。魔法特性も身体の作りも違う人たちに一発で強化魔法を合わせている君の技術が突き抜けているだけなんだ」


 強化魔法と言ってもハルがよく使う肉体強化魔法、そして魔法の出力を一時的に上げる魔力強化魔法がある。幻級くらいになれば肉体強化魔法は魔法師でなくとも大体使うことができるが道論使うことができないものもいる。そういう者に付与魔法として強化魔法を付与するのが魔法師の役目の一つだ。それは単純な相性もあるのだがともに過ごし魔法特性や戦い方を理解して他人に使えるようになるのだ。それをマーブは見ただけで魔法特性を見抜き、身体の使い方で動かし方を見極め強化魔法を使用する。これは彼女が特別な眼を持っていることに由来しているのだが知っているものは少ない。マーブ自身それを理解しておらずわかる者が見て言わなければ気付くこともないだろう。


「そうなんだ。みんなできると思うけど」


 なぜみんなができると思っているかというと彼女自身、自分の目が特別なことに気付いていない。だからこそこのような意見がマーブ自身から出る。古くから生きているアランもこのような眼を見たことがなく、気付くことができていない。彼女の眼は”魔眼(まがん)”と言うものであり、これは魔力を目で見ることができ、人の動きを細部まで見ることができる眼だ。普通のハンターたちは魔力を見るのではなく感じている。自分の中でこの魔力はこのように動くとパターンを覚えているに過ぎないのだが彼女はそれを視覚で見ることができる。なのでハル以上の魔法を扱うことができるのだ。


「できないんだよ。だからこそ君は今生きている古代人種を含めた人族の中で突出した魔法の才があるんだ。それをしっかり自覚してね」


「なんか説教臭くなってきたわね。そろそろお暇するわ。それじゃあね」


 そう言って返事を待たずに出ていった。それをアランとロッドは見送ることしかできなかった。


「じゃあロッド、彼の返事が来るまでこの国にいるから彼が来たら教えてくれ。君が聞いてそれを僕に伝えるでも構わないから。少し大森林に行ってハルに会いに行ってくるからその間はお願いね」


「大森林に行くんですか。護衛とかはどうします?」


「少ない方が移動が速くなるし僕に護衛は要らないんだけどね。大きな会議に行くときは体裁を保つために連れてるけど今回は大人数で行くと神狼さまに警戒されちゃうから一人で行くよ」


「わかりました。マークがきたらその内容を伝えますね。ついでに書類も用意しておくのでチェックしたら各支部に送ります」


「そこまでしてくれてありがとう。では僕は行くよ」


 アランが退室し、ロッドが一人残る。ロッドは様々な人物が来て滞っていた事務作業に戻って仕事を再開した。

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