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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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会長からの誘い

 ハルがダリノクスのハンター組合を出て数日後にアランに王獣種を単独で倒した幻級ハンターの情報が届いた。届けられた書状にアランは目を通す。そしてすぐに準備しダリノクスに出発することにした。


「すまない、少しダリノクスに行く。新たな神級ハンターの誕生かもしれないから流石に僕が行くしかない。少しの間、ここを頼むよ」


 そう職員に告げてダリノクスに出発した。乗り合いの馬車では着くまでに一週間はかかってしまうため、アラン自身がテイムしたモンスターを使うことにした。アランが使うモンスターは馬系のモンスターであるサンダルホース。幻級ハンター以上の魔法師はほぼ使っていると言っても過言ではないオーソドックスなモンスターだ。なぜ魔法師限定なのかというとテイムをするには魔法が必要になるからだ。リルなどの神獣種が使う眷属魔法もこのテイムするための魔法、契約魔法に属する。しかし、眷属魔法は人族には扱えない。それは魔力核に含まれる特殊な成分によるものであるが未だ解明されていない。そもそも人族には眷属魔法というものは知られてすらいない。アランは契約魔法でテイムしたサンダルホースに乗り、ダリノクスに向けて出発した。




 ダリノクスのハンター組合長であるロッドは今日も書類作業に追われていた。一人で部屋で作業しているとドアをノックされた。そして入るように促すとここの職員がある人物を伴って入ってきた。その人物はアラン・セルフォード。ハンター組合会長その人であった。


「書状は読んだよ。流石にこれは僕が来ないとと思ってね。急いでここまで来たよ。それで書いてあったことで疑問に思ったことがあるんだけど確実みたいに書いてあったけど調査はした?」


 アランは入ってくるなりすぐに本題に入った。ロッドは連れてきた職員に目配せし部屋からの退室を促し、それをくみ取った職員は部屋を出ていく。そしてアランに聞かれたことに答え始める。


「調査はしていません。調査隊を編成中にハルが来まして。神狼さまの眷属がその王獣種の魔力を感じ取ったらしいです。そしてそこに不運にも遭遇してしまったハンターが今回その王獣種を討伐したマークです。それは魔力の反応からして間違いないとの言い方でしたね。しかし、ハル本人が直接マークを見たわけではないのでそこについては疑問が残ります。マークが討伐した後、野営地にて戦闘での怪我で意識がなくなってしまったらしいのですが起きると傷が完全に癒えていたと話しています。ハルはここに来る途中大森林にてマーブと遭遇したらしいので彼女の仕業かもしれないとも言っていました。マーブに治した者の顔を確認するのが一番早いかと」


 アランは考える。ハルだけでも補足が面倒なのだがそこに普段サンドリアにいるマーブが加わっているとなるとさらに面倒になるだろう。そもそも距離がかなり離れているのでどっちに行くにも大変と言わざるを得ない。


「なるほど。ロッドは神級のハルが言うならとその情報で書状を送ったということか。まだ大森林にマーブがいると思うか?」


「それに関しては微妙ですね。彼女も他の神級と同じくらい自由に生きていますから。普段サンドリアにいるとわかっているだけでも連絡が取りやすい部類です。その彼女が大森林にいるとなると補足は難しいでしょうね」


「そうだよねぇ。どうしよっかなぁ」


 ハルに会うことはアランの中では決めていたのだが今の話を聞いたうえで考えるとハルよりもマーブの方が重要度は高いように感じている。


「よし。とりあえず大森林に向かってみるよ。ハル君にもどうせ話は聞かないとだしね。それに大森林に行けばその魔力を感じた幻獣種もいるでしょ、一石二鳥だ」


 アランはロッドとの話を切り上げ大森林に向かおうと席を立った。その時にノックもなしに入ってきた者がいた。


「あれ、会長じゃん。どうしたの?こんなところで」


 そこにはマーブが立っていた。アランもロッドも驚きで固まる。そして静止しようとしていた職員に向かって紅茶を頼む。


「ちょうどいいとこに来てくれたね、マーブ君。大森林で誰か治したりした?」


「大森林で?うーん。あ、そういえば奥地の野営地で倒れてたハンターがいたわね。何もせずに寝てたからモンスター除けの魔石を使って肩も少し怪我してたから治してあげたわよ」


「その時、話はした?」


「倒れてたって言ったわよ。治してそのまま自分の用事を済ませに行ったからしてない」


 これで決まりだとアランは思った。ロッドにマークを連れてくるように指示を出す。ロッドは部屋から出てマークを探しに行った。二人の慌ただしさに違和感を感じたマーブはアランに理由を聞いた。


「なんか慌ただしいわね。何かあった?」


「君が治したハンター、神級になるかもしれないんだよ。ソロで王獣種を討伐したんだって。その帰りに君に治してもらったらしいよ」


「そういうこと。まあ強い人材は組合としては欲しいものね。この国にまで来たからなんとなく顔を出しに来ただけだけどこんなことになるなんてね」


「ほんとにタイミングがよかったよ。僕の仕事が減った」


 そうこうしているうちにロッドがマークを連れてきた。来週からまた狩りに出かけるということで今はその準備でこの街に滞在しているとのことだった。


「は、はじめまして。マークです。会長に会えるとは思っておらず驚いています」


「やあ、僕はアラン。ハンター組合の会長をしている見た通りエルフだよ。今回は君が王獣種を倒したとのことで顔を見に来たんだ。これから情報を精査して連絡すると思うけどその時はよろしくね」


「は、はい!」


「ところでマーブ君、治したのは彼で合ってる?」


「そうね。顔は覚えていないけれど魔力は覚えているもの。間違いない」


 これでマーブの確認は取ることができた。あとは本当に討伐したかどうかである。


「もしかして治してくれた方ですか!?あの時はありがとうございました!あのままでは自分はモンスターのエサになっていました」


 マークはマーブが治したのだと知ると感謝を口にした。


「いいわよ。見捨てると目覚めが悪いだけだから」


「今、王獣種の魔力核は持ってる?できれば見せてほしいんだけど」


 アランがそういうとマークはマジックバックを開き魔力核を取り出した。それに反応したのはアランではなくマーブであった。


「あら。会長、これ本物よ。大森林でこの魔力をまき散らしてるモンスターを感知したから。大きさ的に王獣種だとあたりを付けてたけど王獣種だったのね」


 なんとハルに聞かずにマーブで解決した。マーブは神級の中でも一番魔法が長けているハンターである。その彼女がいうのだから間違いないだろう。アランはマークに提案することにした。


「マーク君、君神級ハンターにならないかな?待遇は保証するよ」


 マークは内容を理解できずに固まっていた。

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