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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
ハンターの宴
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ハンター組合に向けて

 ユグノリアにいたときにハンター組合会長であるアランにハルは帰ったらダリノクスにあるハンター組合支部に向かうように言われていた。そこの組合長であるロッドに書状を送っているらしい。それを受け取ってくれとのことだった。その書状にはユグノリアでの神獣種の会合で話し合われていたことが記載されている。ハルは知ってはいるが形が大事なのだという。そしてハルが普段使っているダリノクスのハンター組合の組合長はエルフであり出身がユグノリアである。なので神獣種のことは知っている。だから眷属になったときに驚きはしていたが神獣種の存在自体には驚いていなかった。


「アランからハンター組合に行ってくれと言われているから少し行ってくる。そんなに時間はかからないと思う。ユグノリアで話したことが大半だと思うから」


「それなら行く必要ないと思うのですが。アランはハルの扱いが雑な気がします」


「まあ俺はハンターでアランはその組織のトップだからな。純粋な強さだけじゃ人の社会では意味ないんだよ。大丈夫、すぐ帰るから」


 ハルはリルに説明した。ドーボンとエミーにも昨日の夕飯の時に話していた。二人はただ気を付けてとだけ言っていた。そこに向かうまでには危険なことはないのだがその言葉に対して無粋なことは言わずにありがとうと伝えた。エミーはハルとリルが不在の間、ハルとリル用の服を作っていた。ハルが討伐した狼系の王獣種の体毛を使っている。魔法を使う大獣種以上のモンスターの素材は魔法の付与がかなり馴染みやすく、そして頑丈だ。その体毛を使用して作った服は今までハルが着ている服と一緒だが色が純白である。リルも同じように純白であり、リルはとても似合っている。白髪のリルに合っていると感じていたのだ。自然にまぎれることが必要なハンター職で純白は目立つんじゃないかとハルはその服をもらった時に言われたがエミーはそれを否定した。この服は特殊な付与をしていて各系統の魔法を使うとそれに反応し色が変化する。そして全ての属性を使えるハルとリルにはぴったりな服になっていた。その場所の色を自分で調整して使うことができるのだ。今までで一番の迷彩効果がみられるだろうとエミーは自信をもっていっていた。その服に身を包み、ハルは大森林を出発した。

 ダリノクスの組合に向かう途中、王獣種の戦闘があったであろう場所に寄ることにした。そしてそこには大きなモンスターの死骸があった。しっかり魔力核を抜いてあり、他のモンスターが進化することはないと確認できた。モンスターの血のほかにハンターと思われる血も垂れていた。もう乾いているがモンスターの血ではないとすぐにわかった。


「これだけ血を流したのか。もしかしたら街に帰る前に倒れているかもな。そうなっていれば生き残れないな。なんとか街に到達で来ていればいいが」


 そのようなことをいいながらハルはダリノクスに向けて進み始めた。そして半年ほど前、イレギュラーな王獣種と戦闘を行なった薬草の群生地まできた。そこは薬草の群生地ではあるが大森林の奥地にあるためここまで来れる者が極端に少なく普段は人はいないのだが一人の人影がある。ハルには覚えがある人物であった。


「おい、こんなとこまで一人でどうしたんだ?普段幻級のパーティに混ざってるのに」


 そこにいたのは可憐な女性だった。ローブでほぼ体を覆っていてフードも被っている。ハルに声をかけられてその女性はフードを取った。


「久しぶり。今はソロで活動しているの。今回はここの薬草を取りにね」


 彼女はマーブ。普段はサンドリアの近くに拠点を置いている魔法師のエルフである。ハルが魔法で勝てないと思っている唯一の存在でもある。彼女は純魔法師であるため近接戦闘ができないので普段はパーティを組んでいるのだ。その彼女がソロで大森林に来ていることに驚いた。


「ハル、魔力が変わってたから誰かと思ったわ。それにその耳は?」


「ああ、これか。神獣種の眷属になったんだ。大森林に住んでるリルっていうやつなんだけどな」


 マーブは目を見開きハルを凝視する。


「神獣種?それって会長の書状に書いてあったのと関係ある?」


 もうマーブは書状を受け取っているらしい。ユグノリアからサンドリア経由でか言ったはずなので一番早く貰っていても不思議ではないのだがそれでもここにいるのが早すぎる。


「多分そうだな。俺はこれから書状を受け取りに行くんだけど話は大体知ってる」


「そうなのね。神獣種に会ってみたいものね。実際どんな感じなの?大きい?」


 マーブは神獣種を見たことがない。そもそも見たことがあるのは神級ハンターの中ではハルとアリエスのみだろう。あとはアランも見たことはあるが神級ではないのでカウントしない。


「大きくないぞ。そもそも人の形してるしな。幻獣種っていう王獣種の進化先のモンスターも小さいしな。でも強さは王獣種の比じゃないけどな」


「そうなんだ。今度会わせてよ。見てみたい」


 マーブは興味津々といった感じでハルにリルに会えるように取り合ってくれと頼んできた。ハル自身はいいのだが適当に答えるわけにもいかないためそれを伝えることにする。


「俺自体は問題ないがリルがどういうかわからないから確約はできないぞ」


「それで平気よ。しばらくダリノクスのいるからいい返事を待ってるわね」


「わかった。ちなみに俺以外に一人、眷属になったやつが神級ハンターにいるぞ。それじゃあな」


 ハルはそう言いその場を去った。マーブは聞きたかったのに逃げられてしまったとため息をついた。


「まあ書状には神級ハンター招集が書いてあったからどうせ会えるしいいか。魔力見れば誰かすぐわかるし」


 マーブはそういうと薬草採取を再開した。




 ハルはそそくさの逃げてきた。マーブは魔力についての知識を多く持っている。それでも個人固有の魔力パターンの研究もしていたはずである。しかしハルの魔力を見て後天的に魔力特性が変わることが確認された。もちろん、修練次第では全属性使えるようになることができる。しかし、どうしても得意、不得意は出てきてしまう。それが個人固有の魔法パターンに由来しているとマーブは語っていた。マーブ曰く、その人の魔力を見ればどの魔法に適性があるかわかるのだ。ハルにもある程度分かるがマーブの制度はハルなど遊びだと言わんばかりの制度で当てる。そしてどの程度の規模で魔法を使用するかも読むことができるのだ。パーティにいるとモンスター狩猟がかなり楽になる、そのような人材だ。


「それでもここで捕まると話が長くなる。早く帰るって言っちゃったからな。さっさと終わらせて帰ろう。帰るころにはマーブももういないだろう」


 ハルは急いでハンター組合に向かった。

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