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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
砂漠の世界樹
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アランの招集

 バンゴスタたち神獣種と別れたアランは急いで自身が宿泊している宿に戻った。ユグノリアには部下を一人も連れてきていない。元々アランは自由な男であるため部下を連れて歩くことが稀ではあるのだがそれでも最近は立場もあるので連れていた。この国には許されたものしか入ることができない閉鎖的な国なので連れてくることができないのだ。しかし、重要な案件を話し合う場でもあるため外の国への連絡手段を用意していてもらった。


「では、この書状をお願いしますね」


 竜人の使いにいくつかの書状を渡す。これはハンター組合の本部と支部に送るものである。今回の会合で話し合った内容を伝えるのだ。自分の手で渡すのが一番安全ではあるのだがこの国に来るとどうしても拘束時間が伸びてしまう。神獣種の面々の寿命がないのもそうだがアラン自身がエルフという長命種なのでこの辺りがルーズなのだ。それでも今回はそのようなことも言ってられないのでこのように書状を出した。各支部に神級ハンターが在籍しているので支部経由で渡す書状も入れてある。この国にいる神級ハンターの二人は元々人族であるが神級ハンターに人族でなれるものはほんの一握りである。それは単純に経験や研鑽が間に合わないのだ。古代人種のような長命種は長い時を生きるために研鑽を積むことができる。その彼らでもなれる者は少ない。幻級ハンターはパーティ単位だがこれもエルフ族かドワーフ族と組んでいる人族がほとんどだ。そしてその功績が認められると個人単位で神級ハンターに昇格する。戦闘能力はもちろん必要なのだが評価基準はそれだけではない。現に戦闘能力で言えばアリエスは神級ハンターの中で一番低かっただろう。今は神蛇スクリスの眷属になったのでこれも変動があったとは思うが元は一番弱かった。幻級ハンターの中にはアリエスよりも強いものもいたと思う。それでもアリエスが神級ハンターになったのは最低限の戦闘の力に加え、モンスターや自然の知識量によるものだろう。彼女は知識欲というものが他者の追随を許さないものだった。神級ハンター筆頭であるハルにも知識面では勝ってるものがあった。ハルは狩猟の知識は豊富であるのだがそれ以外は人並みかそれ以下である。しかしアリエスは狩猟に関係ないような知識も蓄えている。そしてそれはハンター業をしながらも研究職を凌ぐほどだ。アランはハルとアリエスの登場に期待していた。


「これで、伝えることは伝えた。あとは組合長たちが神級ハンターにどう伝えるかだなぁ。大体の者は参加の意思を示すとは思うけど。自分で集めておいていうのもあれだけど彼ら、かなりの戦闘狂がいるからなぁ。神獣種と戦えると聞いたら来ると思うんだよな。神獣種の説明のほうが大変だけどそこはハンターの眷属がいる神蛇さまか神狼さまにお願いしようかな。神狼さまの方が僕的にはうれしいな。近いし」


 他の神級ハンターは大丈夫だろうとアランは考えていてそれはその通りになるのだがアランは自身も参加すると書状に書いていた。この文言に引っ張られる神級ハンターの方が実際には多かった。今まで狩りにもいかずにデスクワークしている姿のみを見せてきたハンター組合会長であるアランの戦闘が見れるとあっては神級ハンターたちは無視できなかったのだろう。そうなるとは今のアランには予想できていなかった。


「久しぶりの戦闘だしフィスティリアに戻ったら感覚を取り戻すために少し狩りに行こうかな」




 場所は変わりマグノリア。ここには神級ハンターのヴィノが滞在している。彼は自分の武器を自分で作るというなかなか珍しいハンターである。彼は大きなハンマーを使用しているのだがこのハンマーは専用武器として昇華されていた。ヴィノ以外には扱うことができないだろう。ハルが肉体強化を使ってもちあげられるかどうかといったところなのでとてつもなく重い。これは素材が関係していて土系統の魔法を使用していたモンスターの素材なのだがこのモンスターの魔法が少し特殊だったのだ。物質の重さを変えるというモンスターだったのだ。そのモンスターの魔力核を埋め込み重くなる魔法を仕込んだ武器であり、これを知っているものはまだいない。彼の友人であり、ハルの武器を作成しているドーボンに自慢するために彼は他の誰にも言っていないのだ。


「ん。こんなもんか」


 ヴィノは扱うには重すぎるハンマーを片手で持ち上げて確認する。魔力操作を的確にしなければ無駄に重くなったり軽くなったりするのでヴィノは魔力核の調整をしていたのだ。それが今終わった。その時にマグノリアに存在するハンター組合支部から書状が届く。そこには大昔に滅んだと思われていた神獣種の復活とこの大陸に攻めてくるかもしれないとのことが書いてある。ヴィノはその書状を読み、そのまましまう。会長からの招集であった。時期はまだ先なので今しがたできたハンマーを片手に火山地帯の奥地に向かう。火山地帯はこの大陸で見ても危険度はかなり高い。モンスターも強力ではあるのだがそれよりも暑さが問題であった。しかしヴィノは鍛冶という仕事をしていてしかも元々火への耐性が高いドワーフ族である。なので気にせず暑さの対策もそこそこにして進んでいった。


「本部に行く前にハルとドーボンにでも会いに行くかな。こいつも見せたいしな」


 ハル、ドーボンとは仲がいいので普段では考えられない顔で笑いながら火山へと消えていった。

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