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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
砂漠の世界樹
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ハンター組合会長

 会合が一時的に終わり時間が過ぎた。アランが到着してから一夜が明け会合が再開した。バンゴスタとアランがすでに部屋にいて他の神獣種が続々とやってくる。そこには眷属であるアリエスとハルの姿もある。アランはだるそうな顔をしながらハルの顔を見た。


「アランも来たことだし会合を再開する」


 バンゴスタが号令をかけ会合は開始した。今まで話したことは粗方バンゴスタがアランに話している。そして決まらなかったことを決めていく。


「まず神獣種(われわれ)の領域の話しだ。これに関しては今まで通りにしていく。他はハンター組合の方で対処を引き続き頼む。そしてこちらの方が重要なのだが炎神龍バクリスクが復活した。これはこのドーバレス大陸ではなくガノリア大陸だ。今はまだ影響がないと思うがいつかはこちらに攻めてくると考えていい。そして海にはオシーアがいるため地下を通り火山地帯に来る可能性が高い。その時にはハルを含め神級ハンターに対処をお願いしたい。神獣種では再生が不可能なほどのダメージを自然に与えてしまうかもしれない」


「領域の話については少し考えさせてくれ。そっちの陣営にこっちの主力のハンターが二人も行っちゃったんだ。少しはそっちが持ってほしいのが本音かな。いつでも貸出してくれるなら今の配分でいいよ。揉めたいわけじゃないしね」


 領域の話は結構早く終わる雰囲気が出ている。しかし問題は次の話だ。アランも過去の大戦は経験しているため、それが起きればどうなるかもわかっている。確かにハンターが応じるのが一番土地への被害は少ないだろう。しかし、相手は神獣種だ。強大すぎる相手であり少々戦いの心得があると自負しているアランでさえ相手にならない。それを自分の作った組織の者が戦うには気が引けた。


「そして炎神龍の話だ。これについては了承しかねるね。ハンターだけが貧乏くじじゃないか。しかも今の時代のハンターはあの時代を知らない。なのに背負わせるには重すぎる。それで君たち神獣種はいいのかな」


 ハルはアランのこの話に驚いた。彼はハンターたちにはかなり優しく対応する。それが金の面でも気持ちの面でもだ。そんな彼が今、モンスターの頂点である神獣種に対して堂々と意見している。今まで見たことがない会長の姿だった。


「だから言ったじゃない。ハル一人でいいって。私も同行するし平気でしょ。火山地帯の国、マグノリアだっけ?そこの住人には諦めて避難してもらってさ。ねぇアラン、それでいいでしょ?」


 リルが口を挟む。ハルは自分一人でいいとは一言も言っていない、むしろヴィノに応援でも頼もうかと話していたところだったのだ。リルが評価してくれているのは素直にうれしいがさすがに今まで見たこともない神獣種に初見で勝てるとはハルも思っていなかった。


「いや、待ってください神狼さま。ハルは確かに私が組合設立以来の天才で強さも一番でしょう。それでも神獣種相手は酷ですよ。過去の大戦を覚えていますよね、どれだけの犠牲が出たかもわかっていますよね?」


「ええ、わかっていますとも。それが分かったうえでハルは勝ちますよ。人族から私の眷属になりました。人族の時点で幻獣種よりも強い方がおかしいのです。そのハルが”私”の眷属になったんです。負ける要素がどこにありますか」


 リルはアランの話を聞かない。聞かないというよりは自信があるのだろう。普段はバンゴスタやオシーアがまとめ、スクリスがちゃちゃを入れるのが通例のようだった。しかし、リルが話すと三人とも黙る。この時点でリルの強さを証明している。それでもアランは諦めない。


「そもそも勝手に眷属にされて困ってるんだよ!私の仕事を増やさないでくれ。頼むよ、神級ハンターなんてそうそういないのに二人が眷属になってるし、ハル君に関しては人伝で伝えるありさまだ。全く勘弁してほしいよ」


 アランの心の声が漏れ出た。かなり大変なのだろう。今ハルは大森林に住んでいるため他の地域にはあまり行かないと宣言してきた。その代わりに大森林に出た王獣種の討伐は任されている。ハルはこれで十分だと思っていたのだがこれでは少ないらしい。


「し、失礼。少し取り乱しました。話を戻しますが神獣種相手にはそれ相応の実力があるハンターが必要だ。それがいつになるかわからないがハル君一人には任せられない。その時が来たら神級ハンターを招集しよう。それで炎神龍バクリスクを迎え撃つ。神獣種のみなさんには自身の領域にて体制を整えてください」


「ふむ、では炎神龍が来たときはハンター組合にお願いしよう。負けるようなことがあればこの大陸の治安は終わる。そうしたら我々神獣種でこの落とし前をつけよう。ハンターの最上位が勝てなければ他のハンターには無理だからな」


 バンゴスタが負けた場合はその後は周囲の被害度外視で迎撃するとのことだ。相手は一体だ。戦火も火山地帯以外には広がらないだろう。


「まあそれでいいわ。ハルは負けないでしょうしね。アランもしっかりハルの今の力を確認してみなさいよ。下手したら私ですら足元をすくわれるかもしれないわ」


「ははっ、それではこの後話させていただきますね」


 アランは乾いた笑いが出た。今までも異常なほどに強かったが神狼がここまで言うほどかと思いハルを見やる。しかし魔力で強さが図れない、アランは長い間ハンター組合会長として実力を見る力はある。そしてアラン自体神級ハンターレベルの強さなのだ。そのアランに強さを測らせない実力と今まで気づかなかったことにアランは驚愕した。


「まあこれでしたい話は終わりかな。この後アランは少し残ってくれ。領域の話を詰めたい。他の神獣種にはのちに伝える。さっきの話さえ分かっていればそれでいい。それとハル殿とスクリスの眷属の女性はまだハンターの仕事自体はしてもらうと思うぞ」


 バンゴスタがそういい、話は終了した。ハルもアリエスもハンターの仕事に関してはやめる気はないので平気とだけ答えそれぞれの主と部屋を後にした。


「バンゴスタさぁ。神狼さまどうにかなんないの?くそ怖かったんだけど」


「まあそういうなアランよ。あいつも大事な者ができたということだ。この後ハル殿と話すのであろう。手短に話そう」


 こうして二人で先ほどの話を詰めていった。夜に酒でも飲もうという話になりその約束をしてアランはハルの元へ向かった。

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