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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
1章 大森林の主
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大森林前の野営地にて

 大森林の近くまでやってきたハルは野営の準備に取り掛かっていた。もう間もなく日が沈む時間なので明日から王獣種の捜索をすることにした。


「明日さっさと見つけられれば楽なんだがなぁ」


 大森林はとても広く、道がないに等しい。ハンターがよく来る外縁部ならばハンターたちが踏み固めた道のようなものが存在している。しかし、そのエリアには大型モンスターはあまりいないため駆け出しのハンターなどが訓練をするのみ用いているのだ。大型モンスターは森を奥に進んでいくと増えていく。これはモンスターの食性が関わっていると言われている。大森林は様々なものが巨大化している。外縁部の木々は大きさも平均的なのだが森の奥に入っていくにつれて徐々に大きくなっていく。大森林は遠くから見ると山にすら見える大きな森なのである。

 森の少し外で野営をしているハルだがここにはハンター用の野営地が存在している。これはハンターの駆け出しや見習いが多くやってくるためにこのような設備が存在する。いつもなら多くのハンターがいるのだが今は1級ハンターが数パーティいる程度とここの野営地の護衛隊員数名で1人でいるのはハルのみである。このことに関して言えば1人でいるハルのほうが異質なのだがそのような異質な存在に話しかけるハンターはいなかった。しかし、ハルがハンターになった頃からいた護衛隊員がいてその男が話しかけてきた。


「ハルじゃねぇか、久しぶりだな。今日は今話題のあいつを狩りにでも来たのか?」


「さすが護衛隊隊長様だな。よくお知りで。まあここの野営地の護衛隊なら知らされるか」


「そりゃあお前な、さすがに王獣種が出たってなると駆け出しのやつらには注意喚起しなきゃならんからな。理由なしでここに来れないだとハンターたちは納得しないからな」


「まあそうか。あそこで野営してるパーティはなんの依頼で来てんだ?今だとなかなか入るのにも骨が折れそうだが…」


「あそこは貴族様のお抱えのハンターたちだ。貴族の娘だか息子だか忘れたが病気に罹ってんだとよ。その貴族がなかなかの権力者らしくてな。その病気を治すために必要な薬草を取りに来てんだとさ。少し中に入らないと群生地がない薬草らしいんだがこんな時でも金積んで立ち入りを許可されたらしい。まあ王獣種はそこよりも全然奥って話だし運悪く出会っても逃げるくらいはできるだろ。噂ではもうすぐ幻級ハンターらしいからな」


「俺の仕事を邪魔されなきゃそれでいいよ。死んだらそん時は運がなかっただけだろ。それがハンターって仕事だしな。ただ出会ったらむやみに魔法は使ってほしくはないな。王獣種は魔法を学ぶことがある、倒すことはできるが少し面倒になるからそれだけは避けたいな」


 そう、大獣種と王獣種の最大の違いは使う魔法の種類が1つのみか複数使えるかだ。大獣種は魔力核が小さく使える魔法も1種類のみだ。これが王獣種になると魔力核が大きくなり複数の魔法を使ってくるのだ。基本的には同系統の魔法で隙が少ない魔法から隙は大きいが威力が大きくなるというのがほとんどである。しかしハンターが魔法を使い、それを王獣種に当てるとダメージは与えることできるがそこで仕留め損ねると後からその当てた魔法の魔力が魔力核に馴染んでいき、その系統の魔法を使うようになってしまう場合があるのだ。こうなると討伐隊が組織される事態にまで発展し少なくないハンターの犠牲が出てしまうことのなるのである。このような事態に対して『少し面倒』とだけしか思ってないハルの異常性が垣間見えている。


「まあ王獣種の討伐は頼んだぞ。こんな事態でも給料が少し上がる程度なんだからな、今度お前の金で飲みにでも行こう」


「少しでも上がってればいいじゃねーかよ。俺の金でっていうのが気に入らんが時間があるときにでも久しぶりに飲み行こうか」


 久々にあった友人と情報交換を兼ねた雑談に興じたハルは明日の向けて準備をし始めそのまま夜が更けていった。

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