送り出した三人
ハルがハンター組合に出かけていき、ドーボンの家にはドーボン、エミー、リルの三人が残った。リルは眷属になった二人に今の気持ちを聞いていた。
「お二人とも眷属になったわけですけどいまのところ違和感などはどうですか?」
古代人種用に作られた魔法とはいえリルはハルのわがままでこの二人を眷属にしていたのだ。実力もしっかり確認せずに行なった。その弊害が出ていないか心配で現状の確認をした。
「おう、オレは問題ないぜ。まあ使える魔法系統が大幅に増えたから今まで使えなかった魔法は確認が必要だがな」
「私も問題ありませんよ。魔力の絶対量が上がった気がしたので試してみないと威力がどの程度なのかわからないのでこれは要確認ですね」
二人とも体に異常はないらしい。これはリルにとってうれしい結果になったと同時に肩の荷を下ろせた。ハルの時は戦いをこの目で確認していけると判断して魔法をかけた。その工程がなかったので不安がぬぐい切れなかったのだ。
「それはよかったです。私にできることがあれば何でも言ってください。元々私の魔法系統ですので扱い方はそれなりにわかっていますので」
二人に魔法の扱い方をしっかり教えるのはハルがいない今自分の役目だ。エミーはハルと同様使える属性がそもそも多かった。なので威力調節の感覚を掴めば平気である。問題はドーボンのほうだ。っ使える魔法系統が一気に増えて本人は元々魔力操作が苦手である。魔力操作が苦手でもエミーがいたので問題なかったのだろう。それでどうやって魔石のどを武器に仕立て上げていたのかは気になるが。
「あ、そうでした。私はドーボンさんとエミーさんにお願いがあるんです。私用の武器を作ってほしいんです。モンスターの姿になるのは魔力を使いすぎるのでそれ以外の戦闘手段が欲しいんです」
「それだけの魔力があれば魔法戦闘だけで十分行けそうだけどな。じゃあ魔法師が使うような杖か?それならエミーの担当だが」
二人は物によって担当が違う。もちろんすべて一人で作ることはないのだがどっちが主体かは武器種で決まっている。付与魔法師であるエミーが魔法系の武器を担当している。杖がその最たる例だ。逆に前衛職が使うものはドーボンが作っている。大本をドーボンが作りエミーがそこに付与を行うのがいつもの流れだ。そして特殊なのが銃である。これは二人と使用者の三人でしっかり決めなければいけない。魔力操作の練度によって性能を引き出せるかどうかが決まるのでこれだけは別枠なのだ。
「私はハルの使っていたような刀が欲しいですね。あれは魔力の馴染み具合が異常でした。何でできているかハルに聞いたらブラックメタルとのことだったので元々手元にあった分で足りると思います」
そういうとリルは自身のマジックリュックから大量のブラックメタルを出した。それはハルが今まで集めた量よりも多い。神獣種であり長い時を生きているので趣味で集めていた時期があったらしい。しかし人族の武器を見たときにこの程度なら武器の作成はいらないとその時思ったらしい。ハルの刀を見るまでは。
「あの刀はいいものです。あれ以上の刀を私は見たことがありません。これを作っている方々を眷属にできたことを誇りに思うほどです」
「や、やめてくれ。そこまでじゃねぇよ。これは素材が良かっただけだ。しかしまあよくこんなに集めたもんだな。ハルよりも多いじゃねぇか」
「まあ生きてる時間が違いますからね。それよりも作ってもらえますか?」
リルは早く刀を作ってほしいらしい。ドーボンはそこで少し待ったをかけた。
「作ることはできるが時間をかけさせてほしい。今は魔力に慣らしている段階だ。これでこの素材を無駄にするのは俺自身が許せない。自分の魔力になれる時間が欲しい。そうすればハルが持っているこの切絶以上の刀を仕上げて見せよう」
「それはハルにも羨ましがられるのでは?」
「大丈夫だ。この切絶も進化させる。それじゃあ作りはしないがどのくらいの長さでどのようなものにするか詰めていこう」
三人でリルの武器を考えていく。リルが欲しいもののサンプルを普通の素材で作りそれの感想を聞きどんどん進めていく。大体の形が決まってきたあたりでリルが机の上に置かれているものが気になり二人に聞いた。
「これはどのような武器ですか?初めて見ました」
そこにはハルのメイン武器である狙撃銃が置かれていた。




