大森林からの帰還
リルとともにリルの家を出て一週間が過ぎもうすぐ大森林を出ようとしていた。リルの影響なのか王獣種がいなくなったからなのか強いモンスターに遭遇することなく森を出れそうだ。リルをドーボンたちの家へ案内する前に野営地に寄って無事帰還したことを顔なじみに報告することにした。その時にリルには申し訳ないが大森林からそのままドーボンの家の近くまで行ってもらいハルが一人で野営地に行きそこから迎えに行くことに決めた。一人で大森林に向かって帰りに人が増えているのはおかしいからだ。しかもそれが神獣種である。まあハルも獣人種になっていて見た目にあまり違いはないのだがハルはフードを常にかぶっているのでそのあたりは問題ない。なのでリルをドーボンの家の近くまで案内しここで待つようにお願いした。
「俺はこれから大森林前にある野営地で知り合いに無事帰還した報告にいくからここで待っててくれ。あいさつが終わったらここに迎えに来る」
「わかりました。気を付けて行ってきてください」
ハルはその返事をもらうと野営地に向かって歩き出した。ここからはそう離れていないのですぐに着いたのだが何か騒がしい。そして護衛隊長の男がハルの姿を確認すると走ってこちらに向かってくる。
「ハル!帰ってきたのか!てことは王獣種を討伐したんだな!」
その男は大きな声でハルに話しかけてきた。彼なりにハルの心配をしてくれていたのだろう。ハルの実力を彼は知っているがそれでもハルが小さいころからの知り合いだ。心配はしてしまうのだろう。
「ああ、王獣種は討伐した。この後ドーボンたちに使った武器の補修などをしてもらいに行くとこだ。それで預けたら街の組合に行って報告するつもりだ」
「そうか。無事なら何よりだ。一つ聞きたいんだが貴族の専属ハンターたちを知らないか?一人だけ薬草をもって帰還したのだがそれ以外が帰ってこないんだ。何か知らないか?」
ハルは彼らの末路を知っている。それをここで言っていいものなのか。ハルは少し考えるが彼になら言っても問題ないだろうと判断し言うことにした。
「あまり広めないでほしいんだがいいか?彼らは全滅してたよ。大獣種にやられてた。これは組合に俺から言っとくからそっちに関しては言わなくていいぞ。遺品も少しは持って帰ってきたからその後は組合長の領分だしな。それでその大獣種が彼らとの戦闘を経て王獣種に進化してな。それは進化後すぐに討伐したから厳戒態勢を解いても問題ないと思うぞ」
「全滅…か。王獣種に進化できるほどの大獣種に遭遇したのが運の尽きだったな。ハンターなんだ、それは仕方ないな。ハルが無事でよかったよ」
彼はここでハンターを何人も見送ってきた。そして二度と帰ってこないものもいる。なのでなるべく森に入る前の野営地であるここは気を休めるところにしたいと常々言っていた。だからこそ野営地だとは思えないこの設備なのだろう。
「ありがとう。じゃ俺はドーボンのところに向かうとするよ。それじゃあんまり気を落とすなよ。あんたのせいじゃないんだから」
「ありがとうな。ハルにそんなこと言われるなんて成長したな。じゃあドーボンによろしく言っといてくれや」
そしてハルは野営地を後にした。そのまま村に向かう道に行くがすぐにわきの森に入る。そしてリルを待たせている場所に向かった。リルが見えて声をかけようと思ったときに聞きなじみのある声が聞こえてきた。
「じゃあハルの嫁さんになるんか!はははっ!ハルもいい嫁さん迎えたな!」
そこにはリルと話しているドーボンがいた。




