王獣種討伐依頼
時間は少しさかのぼり3週間前。ハルはハンター組合長に呼ばれハンター組合本部に来ていた。
「よぉハル。わざわざ遠いところからありがとうな。今回呼んだのは他でもねえ”王獣種”が大森林に現れたらしいんでこいつの討伐をお前に依頼したい。」
「俺を呼びつけた理由にはならないだろ。王獣種程度なら幻級ハンター3パーティいれば足りるだろ。なんでわざわざ俺を呼び出すんだよ」
「空いてるパーティが今いないんだよ。みんな大獣種の討伐依頼に出払っちまってる。だから遠いがお前にお願いしたいんだよ。そもそも大森林ならお前より詳しいハンターをわしは知らん」
ハルはもともと大森林に近くの村でハンター登録をしてハンターになっている。そして見習い期間は大森林外周で簡単なクエストをこなしていた過去がある。なので幻級ハンターがいない今ならこの判断は的確といえる。そして今回の討伐対象である王獣種は過去にハルが1人で討伐した実績があった。だからこそ神級ハンターの称号を得ているともいえる。
「まあ討伐に関してはわかった。だが、討伐したとしてそれをどう証明すればいい。さすがに王獣種の頭は持って帰ってこれないぞ」
基本的にモンスターの討伐に成功したらモンスターの頭部を持ってくることで完了になる。これは昔に確認部位のみを重点的に狙いその部位のみを持って帰ってきたハンターがいたからだ。そして、そのモンスターは人族にとてつもない憎悪を向け大獣種が王獣種に成長してしまい人族に大きなダメージを与えてしまったのだ。なので現在では頭部を持ち帰ることで討伐成功の確認をすることになった。
「確認に関してはこちらで人を手配することもできるがどうする?こちらとしてはそっちのほうが助かるんだけどな。お前が虚偽報告するとは思えんが形として残るものの方がこっちも処理がしやすい」
「虚偽報告なんてするわけないだろ。わざわざ大森林に行って虚偽報告するのもバカバカしい。それに何系の王獣種なんだ。それのよっても採取素材が変わってくる。もちろん、人の手配はなしだ。人数連れて行くのは骨が折れる」
「狼系の王獣種だそうだ。大きさは30mくらいらしい。かなり育ってるぞ」
「じゃあ爪でもはぎ取ってもってくることにする。爪でも俺と同じかそれ以上の大きさがあるだろうが俺のマジックリュックなら入る。他の素材はどうする?俺が欲しい素材は貰うが組合用に持って帰ってくるのは厳選する必要があるぞ」
「じゃあ魔力核を持ってきてくれるか?王獣種まで育っているならばあるはずだ。それがなかった場合は爪で頼む」
「わかった。魔力核があれば他の素材は俺がもらうぞ。それじゃあ準備して向かうことにする。ちょうど大森林の近くに住む鍛冶師の知り合いに武器の注文をしようと思ってたんだ」
組合長との話し合いを終わりにしてハンター組合本部をあとにした。
本部がある街から大森林まで行商人などが使う馬車を使って3日かかる。しかしハルは1人であり馬ではなく馬型のモンスターを使うため1日ほどで行くことができる。早朝に出れば日が暮れる前には着くことになるがハルは街で泊まることをせずにすぐに出発した。
大森林に着くまで残り6割のところでこの日は野宿することにした。明日の予定は大森林の近くに住む鍛冶師のドーボンに武器の修復を依頼し、その足で大森林にいる王獣種の討伐に向かうことにする。普通王獣種は幻級ハンターが数日間準備して複数パーティで討伐するのがセオリーであるが神級ハンターのハルには関係ない話である。さっさとこの程度のモンスターを狩れるハンターが増えて自分が楽になればいいと思っているハルであった。




