巨大キノコ群生地の毒沼
巨大キノコの群生地を進んでいくとハルが見たことがない景色が広がっていた。
「おいおい、こんなことになってんのか。これは大獣種というより王獣種になりそうじゃねーか」
そこには明らかに普通の色ではない沼地が広がっている。先ほどよりも大きいキノコがその沼に生えている。大きな沼地に島のようにキノコが生えていた。人が乗って移れるくらいの大きさはありそうだ。近くに生えているキノコを引き抜き、その沼に投げ入れてみるとそのキノコが溶け出した。
「溶解性の毒か。じゃあこの生えてるキノコはこの沼の毒にしっかり耐性があるんだな。見たことないし新種か?それともファキングの毒に当てられてできた変異種かな」
いくらハルでもキノコの種類をすべて網羅しているわけではないので確実なことは言えない。収集ハンターや植物の研究してるハンターに聞きたいところだがこの大きさでは持って帰ることができない。マジックリュックにはそこそこな容量があるがこれから相手するモンスターの魔力核や素材のことなどを考えると流石に入りきらない。ファキングを討伐した後すぐになくなるわけではないと思うので後回しにしてまずはファキングの討伐を進めることにした。巨大キノコの上を渡りながら奥に進んでいく。奥に進んでいくとファピングが増えてきた。これは群れを形成しているなと思っていると目的のモンスターがそこにいた。草や葉が多く敷き詰められていてくつろいでいる他とは確実に大きさの違う猪が。間違いなくファキングであろう。猪系の獣種は大きくなるにつれて牙が大きくなる。それが自分の強さを示すことになるからだ。しかし、ここにいるファキングは牙はそこまで大きくない。他と比べれば大きいがそそ体躯が持つ牙としては小さめだ。しかも色がおかしい。白いものがほとんどだがこいつの牙は紫がかっている。
「ちゃんと体の特徴に毒ってわかりやすいものがあってよかったな。狩猟対象を間違えずに済む」
ハルの気配に気が付いたのかゆっくりと立ち上がる。そして大きな咆哮をした。体高でハルの2倍ほどありそうな大きさだ。その巨躯でハルに目がけて突進してきた。ハルは別のキノコに飛び移ってそれを回避する。ファキングは毒沼に猛然と立っている。
「こりゃあ、めんどうだな。俺は動きが制限されるがこいつにはそれがない。まあ救いは1対1ってことか。ファピングはこの沼には入れなさそうだな」
そうしている間にもファキングは突進をしてきて足場にしていたキノコが次々となぎ倒されていく。足場がなくなる前にハルは勝負を決める必要がある。腰に掛けている刀に手を当てつつ少し思案する。
「この毒沼がないところまで誘導するか。見た感じ俺に向かって突進しているだけだしそのまま沼の外に引きずり出せるかもしれない。物は試しだ。やってみよう」
ハルはファキングの誘導を開始した。思っっていた以上に簡単についてきた。そしてキノコをうまく使いながら回避しつつ沼の外に連れ出すことに成功した。
「さあ、ようやく条件がイーブンだ。さっさと狩ってやる」
ファキングにそう言いハルは居合の形をとった。そこでファキングが前足を地面に対して思い切り踏みつけた。少し振動を感じたのも束の間前足があるところが少し地面が割れてそこから毒の液があふれ出してきた。ハルはやっぱりかという風に思いながらもその毒の液を避けながらファキングに肉薄し刀を抜いてそのまま切りつけた。そこそこ育った個体であるため皮膚と体毛が硬かったため少し傷ができた程度であった。猪系は自然界では下のほうに位置しているが一番厄介なのは体の頑丈さだ。頑丈さだけで言えば狼系よりも上なのだ。硬いだけならそこまで平気だがここまで育って魔法を使う個体は一般的にはかなり厄介であり、それはハルほどのハンターになっても思うことがある。そして今対峙しているファキングは毒系統の魔法を王獣種に届きそうなレベルで行使してくる。毒魔法で環境がおかしくなる危険性もだんだん増してきているのでハルはこの森に入って一度も使ってこなかった魔法を行使することに決めた。




